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駈歩を覚えよう!その3:求める馬の形と、駈歩発進の扶助

脚をずらして合図してるのに、駈歩発進が出来ない!これが正解って教わったはずなのに…。何が悪いの?

そんな悩みにお答えします!

駈歩は、馬もパワーを使う走り方です。それでもやってもらうには、それなりの準備が必要になります。

今回は、駈歩発進で馬に求める形と、そのための扶助を解説していきます!

なお、駈歩発進には、とても多くの注意点があり、全てをこの記事で話すのは難しいです。

今回は、基本的な部分だけお伝えし、悩みに上がりやすいポイントは、別の記事で補足をしたいと思います。ご了承下さい。

これまでの内容はこちら!順番に読んでいくと、内容の理解が深まりますよ!

駈歩を覚えよう!その1:駈歩の習得の流れを知ろう 駈歩を覚えよう!その2:駈歩中の、馬の動きの理解
MEMO
記事の最後には、同じ内容を解説した動画もあります!youtubeでは、1日1つ、馬の知識を届けてるので、興味がある方は、チャンネル登録をしていただければ幸いです!

馬に求める形前準備

さて、今回は、駈歩発進に入る前の準備、パワーを溜める段階、パワーを前に出す段階に分け、駈歩発進を解説していきます。まずは、前準備ですね。

パワーを溜めるにも、そもそもエンジンが回転してなければ、溜めるパワーが生まれません。

500kg前後の体を持ち上げ、より遠くに歩幅を伸ばすのが駈歩です。しっかりと、馬が動く状態にしましょう。

駈歩の前準備として求められるのは2つです。

  • 前進気勢を作る
  • 後ろ脚を踏み込ませる

解説していきましょう。

前進気勢を作る

前回も解説した通り、駈歩は、馬の体を持ち上げる必要がある歩様です。

ナポレオンの絵に出てくる馬を想像していただきたいのですが、馬が体を持ち上げるには、後ろ脚に力を入れなければいけません。

馬術的には突っ込みどころ満載の、ナポレオンの肖像画

本来、前重心の馬にとって、重心を後ろに起こし、そのまま前に走り続けるというのは、とても苦しい事です。

ましてや、初心者の方が習う駈歩は、どうしてもゆっくりになる事が多いので、前に進む流れが作りづらいんですね。そのため、あらかじめ前進気勢を作っておく必要が出てきます。

※前進気勢については、こちらの記事をご覧ください。

前進気勢とは?意味と、乗馬で求められる理由を解説

前進気勢が0の状態から3溜めると、-3になり、馬は前に進めません。ですが、前進気勢を5作った上で、3の溜めを作れば、馬は2は前に進んでくれます。

特に、首を起こして走る馬は、重心が後ろに流れやすい(マイナスになりやすい)ため、前進気勢をしっかり作りましょう。

具体的な方法としては、以下の方法があります。

  • 事前にしっかり歩かせる、走らせる事で、前という流れを作る
  • 細かく歩様の切り替えを行い、扶助への感度を高める

この時に注目したい事は、3つです。

・馬の反応速度
・随伴の大きさ
・手綱の手応え  ですね。

反応速度が高いという事は、人間の扶助に集中してくれているという事ですし、随伴が大きくなるという事は、体を大きく使い始めたという事です。

中でも、手綱の手応えは、特に重要です。ここで手綱を伸ばし、馬を楽に歩かせてしまうと、後から体を持ち上げようとした時に、ギャップで一気に苦しくなって止まってしまいます。

手綱の張りという制限速度を提示されても、それ以上、前に行きたいという気持ちがあるから、ハミへパワーが乗り、手綱が重くなります。

引っ張る必要はないですが、しっかり筋肉を使って歩かせる事を目的にしましょう。

後ろ脚の踏み込み

また、体を持ち上げる上で大事なのが、後ろ脚の踏み込みになります。

僕たち人間も、お尻の下まで足を曲げないと、体の重さで椅子から立てないじゃないですか。それと同じで、馬も、重心がある胴体の下まで足を踏み込んだ方が、体を持ち上げられるんですね。

後ろ脚の踏み込みは、この後の溜めの段階でも作れますが、準備でも工夫は出来ます。停止からの後退などが、その一例です。

速歩などで脚を動かした状態から、常歩に落とすと、それまで動いていた分、脚の動きが良くなります。

また、後退という、後ろ脚に重心を載せた動きを一度する事で、再度、後ろ脚を踏ん張る際の抵抗を減らす事が出来ます。

周囲の馬の迷惑にならなければ、一度実践してみましょう。

馬に求める形:溜める段階

続いて、溜める段階に入りましょう。

前回の記事で解説した通り、駈歩は、外側の後ろから、内側の前方にパワーを移す運動になります。なので、ここから、後ろ脚に馬の重心や体重を乗せていく作業に入ります。

溜める段階でやる事は3つです。

  • 乗り手は深く座る
  • 内方姿勢に持っていく
  • 収縮状態を作る

それぞれ解説していきましょう。

乗り手は深く座る

基本的な事ですが、一応確認だけしておきましょう。

失礼になったら申し訳ないですが、この段階の皆さんは、自分が何cm前後に傾いたら、馬の重心がどれくらい前後するかという感覚は分からないと思います。そのため、馬を前に出すから、起こすからと、自分の形を変えない方が良いでしょう。

正反動をしていた時の基本姿勢を思い出し、深く座り、多少の揺れにも対応できる状態を作りましょう。

内方姿勢に持っていく

内方姿勢については、詳しくはこちらの記事で解説していますが、ここで重要なのは、体重を外側に持って行きながら、進行方向に歩かせるという部分です。

内方姿勢の意味や目的は?やり方と、注意点を解説!

こうする事で、外側の脚に体重を載せると同時に、駈歩発進で一番大きく上げる必要がある、内側の前脚の負担を軽くする事が出来ます。

ただ、外側に体重が行った事で、馬自体がそのまま外側に膨らんでしまったら、前ではなく横にパワーが流れてしまいます。

そのため、内側の手綱、内方脚を使う事も大事ですが、外側の手綱と外方脚で、馬を外にずらさないようにしましょう。

イメージとしては、外の手綱と脚で壁を作り、その壁に馬を押し込んで、狭い所を通るような状態にする事です。

収縮状態を作る

先程の内方姿勢で体重を外側に移したので、あとは後ろに重心を移す事で、外側後ろ脚への溜めが完成します。

深く座った状態をキープしたまま、少しずつハミのかかりを強め、馬を収縮状態に持って行きましょう。

収縮については、こちらの記事で詳しく解説をしています。

乗馬での収縮とは?(初級編)必要な場面や、考え方を解説!

ここで大事なのは、2点です。

・1段階ずつ、馬を詰めていく
・あくまで「前」の流れを消さない  ですね。

溜めるのは、この後の発進に繋げるためであり、停止、後退に持っていったり、馬を苦しめたりするためではありません。

いきなり手綱を強く持ち、首を引くのではなく、馬の「それでも前に行く」という状態を確認しながら行いましょう。

上級者が、素早く発進が出来るのは、この、細かく1ずつ上げるプロセスが速いからであって、一気に引っ張っているわけではありません。丁寧に行うようにしてください。

こちらの記事も参考になるかと思います。興味があれば、ご覧ください。

半減却を覚えよう!その1:半減却をする意味と、使う場面

馬に求める形:発進

最後に発進です。流れは3つになります。

  • 脚位置をずらす
  • 脚合図
  • 拳の位置を元に戻す

解説していきましょう。

脚位置をずらす

馬の前脚をより遠くに出すため、馬の後ろ脚により強く地面を蹴ってもらうため、馬の体を斜めにするサポートをするため、左右の脚の位置をずらします。

教わる方によって、どちらの脚をずらすか、内方脚と外方脚のどちらで発進するかが変わりますが、それについては別の記事で解説します。今回は、かかと1つ分くらい、内側の脚を前、外側の脚を後ろとしたいと思います。

詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

内方?外方?駈歩発進の脚の使い方と、足をずらす基準

脚合図

一番大きく動かす内側の前脚の着地に合わせ内方脚を深く下に差し込み、そのまま脚合図を使って、馬が体を持ち上げるサポートをしましょう。

その後、内方脚からワンテンポ遅らせて、外方脚の合図を行います。上手くいけば、内方脚で体が持ち上がった後、外方脚で後ろ脚のパワーが解放され、馬が前に飛び出します。

拳の位置を元に戻す

前という流れが生まれたら、馬にとって最後の障害となる、ハミのかかりを楽にしてあげましょう。

この時、手綱の握りを楽にしたり、拳を前に出したりする方もいますが、楽にしすぎても、解放された馬の頭が一気に前に飛び出して、前脚の重りになってしまいます。そうすると、次の一歩に繋がりません。

駈歩は回転運動です。なので、次の一歩に繋げる際にも、また溜めが必要になります。

個人的な言葉選びでは、溜めるために後ろに控えていた拳を、元に戻す程度で良いと思いますよ。

まとめ

今回は、駈歩の発進について解説しました!

少々、解説が多くなってしまいましたが、以上で、一連の流れです。皆様のご参考になれば幸いです。

個人的な経験でも、今回解説した量を見ても、駈歩は、どれだけスムーズに「溜める」事が出来るかがカギとなってきます。

ゼンマイで走る車ではないですが、しっかりと溜める事が出来れば、後はパワーの出し方さえ整えれば駈歩は出るんですね。

ただ、この「溜め」が、本当に難しいんです。

馬によって加減も違えば、どれくらい素直に受け入れるのかも違います。自分の技術に出来るようになるまでは相当時間がかかります。

ですが、駈歩発進の練習に進んだという事は、馬の状態に目を向けて乗るという段階に近づいたという事です。

これは、ただ乗せてもらうという段階から、馬に指示を聞いてもらうために乗り方を工夫するという段階に、皆さんがレベルアップをしているという事です。

時間はかかって構いません。ここまで腕を上げた自分を信じて、頑張っていきましょう!

ご覧いただき、ありがとうございました!

その4はこちら!

駈歩を覚えよう!その4:乗り手の随伴と姿勢

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