乗馬をしてると、何回も「手綱!」って言われる…。長さが大事なのは分かるんだけど、どこで持つのか、基準が分からない…。
そんな悩みにお答えします!
初心者の方は、誰しも手綱の長さに悩むものです。少しだけ、アドバイスをさせて頂きますね!
手綱は「長さ」ではなく「重さ」で覚えましょう
結論、手綱は「正しい長さ」ではなく、「正しい重さ」で覚えた方が、僕は良いと思います。
というのも、手綱の長さって、その時の状況によって、クルクル変わるんですね。馬の大きさ、首の長さ、首の角度によって、正しい長さって違うんですよ。
例えば、首を真っ直ぐ伸ばしてる馬と、首を僕たちの方まで起こしてる馬では、手綱を持つ位置が違うのは、いたって普通の事なんです。
皆さんの持つ位置が、気付かないうちにズレたのではなく、馬の状況が変わった事で、正しい位置自体がズレてるんです。
また、多くの方が、「手綱は馬の口から何センチ」とか、「何個目の目印を持つ」とかで、長さの基準を作ってしまいます。
これも、馬の状況によって変わる基準です。なので、そのままにしてると、同じように注意を受けます。
おかしいですよね。「手綱を持つところはここ」って言われたから、その通りにしてたのに、そのままだと指摘されるんです。
馬の状況によって長さが変わるなんて、聞いてない…!というのが、本音でしょう。
だからこそ、馬の状況が変わっても、変わらない基準というのを持った方が、初心者の方の役に立つと思います。
そこで出てくるのが、手綱の重さなんです。
手綱を「重さ」で考えるメリット
正しい手綱の長さを、重さで判断するメリットは、以下の3つです。
- 重さを意識すると、手綱も張れる
- ハミの掛かり具合が意識できるようになる
- 馬の様子が分かるようになる
解説していきますね。
綱引きの綱や、糸電話のヒモもそうですが、糸状のものは、引っ張り返されるからこそ、ピンと張りが出来ます。
片方の端を引っ張っても、もう片方から引っ張り返されなかったら、ズルズルと地面を引きずられていくだけですよね。
これを手綱で考えると、僕たちの指に重さが伝わってないという事は、馬の口からも引っ張られてないという事です。
ということは、「張れてない」と分かるんですね。
手綱を持つ位置を、長さで判断していると、持つ場所は合っているにも関わらず、張れてないという事があります。
4個目の目印で合ってるはずなのに、でも馬が首を起こしてるから、張れてない。といった具合ですね。
ですが、重さで判断すれば、正しい重さで持てている=手綱も張れているになります。考え方が、簡単になるんです。
これは、手綱の長さを覚えたい初心者の方にとって、余裕に繋がってくると思います。
馬の口の中には、ハミという、金属の棒状の道具が入ってます。
この道具が、口の中を刺激する事で、馬は僕たちの指示を判断しています。右の唇だけ引っ張られたら右、唇の両端を同時に引っ張られたら、止まれと言った具合です。
ですがこのハミ、加減を考えずに引っ張ると、とても痛いんですね。
ところが、手綱を「長さ」で判断する癖がついた人は、「重さ」に意識が行きません。結果として、ハミが、どれくらい馬の口を刺激しているのかも分からないんです。
その点、手綱を「重さ」で判断する場合、ハミがきついか、緩いかは、指の重さですぐに分かります。
なので、馬に負担をかけない騎乗が出来るようになるんです。
例えば、正しい手綱の重さが100グラムだったとします。
あなたは馬に乗って、いつも通りの重さで、手綱を張りました。
ところが、人間は100グラムの重さで持とうとしてるのに、馬の方がいつもより、グイグイと引っ張ってきます。さて、どうしてでしょう?
答えは、「馬がいつもより元気だから」です。
このように、正しい手綱の重さを覚えると、馬がその引っ張り具合に対して、どう思っているのかが分かるようになります。
これは、「引っ張り返す」という主張を、重さを意識する事で、察知できるからです。
いつも通りの重さなのに、それを押しのけて前に出ようとするなら元気ですし、いつも通りの重さですら、ブレーキになってしまうなら、元気がない。それが、分かるようになるんです。
これが、もし長さで判断していたら、「いつもより手綱は重いけど、長さは合ってるはずだ」と、気付けないんですね。だからこそ、手綱は重さで判断してほしいんです。
具体的な重さは?
さて、ここまで話すと、「じゃあ、どれくらいの重さで持つのが普通なの?」という話になると思います。
これは、あくまで僕の感覚ですが、答えは「ヘルメットよりも、少し軽いくらい」です。これが、特にテンションが上下してない馬での、手綱の重さの基準です。
もし良ければ、皆さんが馬に乗る時に被っているヘルメットを、薬指だけにかけて、ぶら下げて下さい。
その時に感じる重さを、自分の口の端に、指を引っ掛けて再現してみましょう。
意外と、それだけの力でも、口への影響力は強いものです。これで十分なんですね。
これ以上強く引っ張られても、馬は痛いだけなんですよ。だから、首を振ったりして、ハミを振りほどこうとするんです。
初心者の方に多くある悩みに、「馬が首を振ってくる」というものがありますが、あれは、怖くて手綱を握ってしまうからこそ、余計に振られてしまってるんですね。口に掛かる重さに意識が向かないと、解決できない問題です。
だからこそ、「長さ」ではなく、「重さ」にシビアになりましょう。
まとめ!
今回は、手綱を「長さ」ではなく、「重さ」で判断しようという内容でした!
「長さ」という、クルクル変わる基準ではなく、「重さ」という一定のものを、自分の基準にしましょう。
そうすれば、馬に振り回されず、かつ自分で調整が出来るので、いつでも体勢を整えておけますよ!
ご覧いただき、ありがとうございました!
ズレないための持ち方については、こちらの記事をご覧ください!
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