馬を褒める時、声をかけるとか、首を叩くとか言うけれど、本当に馬は理解してるのかな?馬じゃないから、分からないや。
そんな疑問にお答えします!
今回は、「褒める」という行為は、馬にどう理解されてるのかについて、解説したいと思います!
馬は、褒められてるのは分かる
まず前提として、馬は褒められてる事は理解できます。
詳しくはこちらの記事でお話ししていますが、「それで良いんだよ」と言われる事が、馬にとっての褒めるになります。
馬を褒めるポイントは「承認」ですという話指示をされた→指示を聞いた→良い判断をしたね。それで良いんだよ。
そう認めてあげる事が、馬にとっての「褒める」です。
ただ、アクションは必須ではない
ただ、褒めるという行為には、必ずしもアクションが必要なわけではありません。
例えば、馬が動くと同時に脚合図を止める。それだけでも、一応「それで良し」にはなります。
高等技術のハミ受けも、ハミをかけたり、楽にしたりで、「違うよ。それで良いよ」を伝える技術です。
要するに、首を叩いたり、声をかけたりしなくても、「それで良いんだよ」は伝える事は出来るんですね。
それでもアクションをする意味
では、首を叩くや、声をかけるのは、必要ない行為なんでしょうか?
結論から言うと、そんな事はありません。どちらも、馬を褒める上で重要なものです。
では、どんな効果があるのでしょうか?
答えは、「リラックスさせる」です。
運動するために緊張した、あるいは固まった筋肉に、もう楽にして良いよとメッセージを送る。これが、首を叩く効果です。
また、指示を聞いても、それが当たり前のように無言で接するのではなく、口頭でOKの合図を送る。それが、声をかける効果です。改めて、どちらも重要なんですね。
ここで気を付けてほしいのが、あくまで目的は「リラックス」という事です。つまり、馬の筋肉がこわばるくらいの強さで叩いては、意味が無いんですね。
これは、声をかけるも同様です。「なんだよ上でうるさいな!」と思うような声掛けをしたら、褒めるにはなりません。
だから、馬を治める時の声は、低く、長く出すんですね。高い声は、音量を下げられないから。短く、一瞬で出し切る声は、馬に「何!?」と思わせてしまうからです。
「緊張をしてる中で、楽にさせる」より、「リラックスさせた上で、楽にさせる」の方が、より、馬には「それで良いんだよ」が伝わります。これが、首を叩いたり、声をかけたりする効果です。
さらに言えば、褒める行為には「表情」も関係してるようです。
こちらの動画をご覧いただきたいのですが、学術機関の研究の結果、馬は人間の表情を理解してる事が分かっています。
馬と仲良くなりたい人は、褒める時の表情も、意識をしてみると良いですよ。
注意したい事
さて、話の骨を折るようで申し訳ないですが、一つだけ注意したい事があります。
それは、ほぼずっと、馬に話しかけ続けるという行為です。
お気持ちは、とても良く分かります。馬が可愛いし、常に褒めてあげたいし、コミュニケーションもとりたいですよね。
ですが、先程の「リラックス」という観点からすると、これはあまり良い行為ではありません。なぜなら、話しかけられてる間、馬は人間に、意識を向け続けないと行けないからです。
馬は、牧場や馬房での様子からも分かる通り、ボケーっとした、何も考えなくて良い時間が好きな動物です。
そのため、常に話しかけられて頭を使うのは、さすがに疲れてしまうんですね。
先程解説した通り、話しかける行為自体が悪いわけではありません。
ただ、もし心当たりがあれば、「リラックス出来てるかな…?」という意識も、忘れないで下さいね。
まとめと、小話!
今回は、「褒めるアクション」を馬は理解してるのか?というお話でした!
まとめると、「褒める」ではなく、「リラックス」という意味で効果があります。ぜひ、取り入れてあげてくださいという内容ですね。
野生の馬のコミュニケーションでは、「褒める」こそないものの、似たようなやり取りが存在します。
それは、「受け入れる」です。
毛づくろいや、体を寄せるなど、相手を受け入れる行為は、そのまま、相手の存在を認める行為になります。これも、馬にとっては一種の「褒める」です。
そのような意味では、肉体の接触も、馬を褒める行為の1つなのかもしれません。
「手当て」という言葉の語源が、痛い所に手を当てると痛みが和らぐから来ているように、触れてるだけでも、リラックスの効果はあるのだと思います。
そういった意味でも、馬とのスキンシップは、仲を深める方法の1つです。
馬を褒め、馬を認め、お互いに打ち解けられるようになってくださいね。
ご覧いただき、ありがとうございました!