曳き馬って、馬の隣を歩くわけでしょ?ただ歩けば良いの?怖くない?
そんな疑問にお答えします!
正しい曳き馬を覚えると、色々な面で良い事がありますよ!
なお、タイトルには二種類の曳き馬という文字がありますが、どちらも意味としては通じます。公式は「曳き馬」のようです。
曳き馬の効果
曳き馬の効果は主に3つです。
- 体をほぐし、負担がかからない運動になる
- 怪我の有無や、調子の確認
- 信頼関係の確認と構築
解説していきましょう。
馬は、常歩という一番ゆっくりの歩き方が、一番多く、かつバラバラに筋肉を使います。
なので、体をしっかり使えば、歩くだけでも運動になるんですね。人間のウォーキングと同じ様に、時間をかけてしっかり体のパーツを使う事が出来ます。
歩いてる時のテンションやバランスで、怪我や体調を確認する事が出来ます。
馬って、外見は何も問題なくても、意外と問題を抱えてる事があるんですね。
野生の時のなごりで、弱っているのを見られると肉食動物に狙われるので、本能的に隠そうとするんです。
じっとしてるとその問題も見つけられませんが、歩くとけっこう歩様に出るものです。
曳き馬の効果で特に重要なのがこの効果です。
馬ではなくて犬の話になりますが、散歩の時に飼い主を引きずって走る犬は、飼い主を上だと思ってないという話、聞いたこと無いですか?
これって、馬も同じなんですね。曳き馬をする事で、どれだけ人間に敬意を持ってるかが分かるんです。
また、確認するだけでなく、信頼関係を作る事も出来ます。
というのも、馬の上下関係の決め方として、自分の都合で相手を動かせるかという物があるんですね。
馬のルールでは、自分の好き勝手がまかり通る馬が強くて、それに振り回される馬が弱い立場になります。
なので、曳き馬をする際に、馬のわがままを許さない事で、乗る前から関係性を作る事が可能になります。
曳き馬の方法と注意点
曳き馬をする際の流れと注意点は、合わせると4つです。
- 立ち位置
- 曳き手の持ち方
- お互いが折り合うペースで歩く
- 何かあった時の対応
1つずつ、解説していきましょう。
曳き馬をする際は、馬から見て左側に、馬と同じ方向を向いて立ちましょう。
立ち位置は、耳の横から前脚の付け根の間です。首の間と覚えておくと、分かりやすいかもしれません。
これ以上前にいると、人間の見える範囲に馬が入らなくなるんですね。
例えば立ち上がられたりなど、後ろで何かあっても反応できなくなってしまいます。
逆に顔より後ろにいても、馬が走った際に際に転んじゃいますし、引きずられる危険性もあります。
何かあった時は馬の横に逃げなきゃいけないので、ちゃんと顔の横にいましょう。
曳き手は、両手で持つようにしましょう。
右手は顔の近く、左手は先端の辺りを持って下さい。
ここでも、注意点がいくつかあります。
・右手は力を入れて持たない
顔の近くの右手は、軽く握って持ちましょう。強く握るのは左手です。
顔の近くをガチッと持つと、馬が窮屈さを感じて振りほどこうとしてきます。強くは持たないようにしてください。
・右腕はピンと伸ばしきらない。
右手は肘を軽く曲げ、余裕を持っておきましょう。
馬に思い切り引っ張られた時に余裕がないと、肩が外れたりと怪我をしてしまいます。
怖くてなるべく遠くで持っておきたい気持ちも分かりますが、伸ばしすぎないようにしましょう。
・馬の様子によって、どれくらい顔の近くを持つかを変える
首を大きく振り回す馬に対して曳き手を長く持っていたら、馬のコントロールはできませんし、大人しい馬に対して曳き手を短く持っていても、余計にプレッシャーを与えてしまいます。
馬によって、曳き手を持つ位置も、工夫してみて下さい。
曳き馬の効果でも触れましたが、馬の世界では、自分の都合で動ける方がリーダーになります。
つまり、馬のペースに流されてしまえば、以降はずっと馬のターンになってしまいます。
だったら人間のペースで歩かせれば良いのでは?と思いますが、馬の都合を一切無視したペースも、馬からの不信感を生むんですね。
負けてはいけませんが、上から押さえつける必要もありません。あいこの関係を目指しましょう。
馬が右手にじゃれついてくる
甘えてる分には可愛いものですが、「はいはい」と、軽く払って大丈夫です。
じゃれてること自体が悪いわけではないんです。ですが、それを許すと、もっと激しい絡み方をするようになるんですね。
それで人間が弾き飛ばされると、曳き馬の関係性が変わってしまいます。先ほども説明しましたが、好き勝手出来る方が立場が上になってしまいます。
あくまで、「あなたは私の横」と、立ち位置を守らせましょう。
急に走った
何かに驚いて走ってしまうことはあります。こればかりは、悪気がない場合もあるでしょう。
もし、馬が走り始めたら、すぐに横に逃げて下さい。真っ直ぐ走っていった馬を、後ろから引っ張って止めるのはまず不可能です。
最悪、手綱を放してしまっても、自分は巻き込まれないよう横に逃げましょう。
・・・
じゃあ、走ったら逃げるしかないのかと言われると、そんな事はありません。
無理はしてほしくないですが、走り出した瞬間に馬を左に引っ張るという方法があります。
真っ直ぐ走ろうとした瞬間に「はい左!」と、パワーの方向を変えてしまうんですね。
人間を軸に、走ろうとする度にその向きを変えるんです。すると、人間から離れられなくなります。
ただ、基本的に、走り出した馬をなんとかするのは、馬の高ぶった感情以上に、何とかする!という気持ちが必要になります。
自信がないなら無理しないで下さい。
すごい元気
鼻息も荒々しく、ちょっとしたことに反応し、いつでも爆発できるぜって状態が目に見えて分かる場合です。
この場合、必ず慣れてる人に変わってもらってください。テンションがおかしいと分かった段階で、即交代です。
対応策はあるにはありますが、一般の人がうかつに手出しすると、とても危ない目に遭います。「何とかしようとしない」という選択肢もあるという事を忘れないでください。
まとめ
曳き馬について解説しました!
簡単なようで、けっこう奥が深いのが引き馬です。しっかりこなして、「お、出来る人だな」と思ってもらい、良い信頼関係を作りましょう!
ではでは!