鞭で叩くって、どんな効果があるの?馬を怒るため?あと、短鞭と長鞭があるけど、どう違うの?
そんな疑問にお答えします!
今回は、鞭の効果と、短鞭・長鞭の違いについて解説しますね!
鞭の効果
結論、鞭は、人間に対しての集中力と、指示への感度を上げてもらうために使います。
例えば馬は10になったら走る。だけど、僕たちの脚は2しかパワーが無い。
そんな時、馬の感度を5倍にすれば、2×5=10になり、1回の脚で走るようになりますよね。
このように、刺激(脚など)を掛け算する道具。倍増する道具と理解しておけば大丈夫です。
この場合は、×5の強さで鞭を使う事で、馬の感度を5倍にしてるんですね。
もちろん、強弱の加減で、何倍にするかは調節できます。
「見せるだけ」から、「しっかり叩く」まで出来ますし、馬の反応によっては、持ってるだけでも効果がありますよ。
また、上級者が鞭を持てば、叩くだけでなく、褒める道具としても使う事が出来ます。
ですが、今回はその説明は、省略させていただきますね。
鞭を使う際の共通の注意
短鞭にしても、長鞭にしても、鞭を使う際には、共通の注意が2つあります。
- 指示とセットで使う事
- 最初から強く使わない
解説していきましょう。
先程解説したように、鞭は掛け算の道具です。
なので、鞭とセットで指示が来ないと、馬は何に対して集中しろと言われてるのか分かりません。
脚+鞭だから、「脚に対して反応しなさい」という指示になります。
何もないのに、鞭を打つのは、馬を混乱させるだけです。絶対にやめましょう。
先程の例では、×5の強さと例えましたが、馬によって、鞭に対する反応は違います。
叩いても「ふーん」としか反応しない馬もいれば、鞭を見せた瞬間に驚くような反応を見せる馬もいます。
そのため、乗り手は×5のつもりでも、例えば馬からしたら、×20の指示にと感じる可能性は否めません。
鞭に対しての反応を見ながら、最初は優しく使いましょう。
短鞭・長鞭の特徴
ではここからは、短鞭と長鞭の、それぞれの違いについて解説します。
短鞭は、音を鳴らす事で、馬の集中を人間に向ける道具です。
そのため、極度に反応する馬を除き、音を鳴らさないと意味がありません。
広い面の部分が、馬体にしっかり当たるように、鞭の向きと振る角度を調整しましょう。
最初は、誰しも遠慮するものですが、実は短鞭は、思い切り叩かない限りは痛くありません。
ただ首や前肩を叩くだけでは、褒めるのと変わりませんからね。徐々に、しっかり使えるようになりましょう。
長鞭は、言ってみれば、黒板の指示棒のようなものです。
使う筋肉に直接刺激を与え、「ここを動かしてほしいな」と馬の意識を向けるものですね。
先端が細くなっており、小さい動きでも鋭い刺激が伝わります。
長鞭を大きく振る事は無いと思いますが、扱う加減に注意してください。
初心者が持つなら、短鞭
さて、短鞭と長鞭の両方を解説しました。
その上で、初心者の方に持ってもらうなら、僕は短鞭をオススメします。
理由は2点ですね。
- 長鞭の方が痛いから
- 長鞭は、使い方が難しいから
解説していきましょう。
短鞭は、音が鳴るように、先端が平たくなっています。
そのため、実質ハリセンのようなものでして、叩いたところで想像より痛みはありません。
一方で長鞭は、先端が細く、文字通りの鞭になっています。
そのため、強く使えば、馬の体にはミミズ腫れが出来てしまうほど痛いです。
馬の感度や、鞭の強弱の判断基準が身についてない初心者の方が、長鞭を使うのは、馬に痛みを与えてしまう結果に繋がりかねません。
いらぬ事故を防ぐためにも、いきなり長鞭を持つのは避けた方が良いでしょう。
「短鞭は前、長鞭は後ろ」
2つの鞭を比較する時、誰もがその言葉を聞くと思います。
ですが、僕個人としては、その言葉は信じてません。理由は、以下の通りです。
- 初心者は、後ろ脚を踏み込んだ走行をされても馬を抑えきれないから
- 前脚に根っこが生えてるのに、後ろ脚に鞭を使ったら、お尻から跳ねる原因になるから
「後ろ脚に使う物」ではなく、「動いてない筋肉に使う物」。それが、僕の長鞭に対する考え方です。
そのためには、どの筋肉が動いてないのかを、自分で判断できるようになる必要があります。
だから僕は、先程の説明で、長鞭を「黒板の指示棒」と言ったんですね。
改めて、判断基準が身についていない初心者の方にはオススメしてません。
まとめ!
今回は、鞭の効果と、短鞭・長鞭の違いについて解説しました!
その結果として、初心者の方に持ってもらうとしたら、短鞭ですよというまとめです!
ただ、適切に使えるようになれば、長鞭は、短鞭よりも小さな刺激で、馬に集中してもらえるようになります。
短鞭を使っている最中でも、感度は磨いていってくださいね。
正しい鞭の使い方を覚えれば、馬とのルール作りが、非常にスムーズになります。
一方で、誤った鞭の使い方をすれば、危険を招きかねません。
教えてくれる人の指示を仰ぎながら。そして何より、馬の様子に集中しながら、加減を覚えていきましょう。
ご覧いただき、ありがとうございました!