レッスンを受けてると、「コンタクト」って言葉を聞くけど、どういう意味?手綱を張るとは違うの?効果は?
そんな疑問にお答えします!」
今回は、「コンタクト」と「譲り」について、基本的な考え方を解説しますね!
なお、騎乗テクニックとしての応用については、必要な項目ごとに、別個に記事を作ります。ご了承下さい。
「コンタクト」と「譲り」とは
結論、コンタクトは「問いかけ」、譲りは、「受け入れる」です。
なお、コンタクトについては、もっと幅広い意味でも使われていますが、今回はこのように定義したいと思います。
僕たちが、馬に対して「こうしてくれませんか?」といい、馬がその指示に対して「良いですよ」と答える。
これが、コンタクトと譲りです。
主に、ハミのやりとりに対して使われる用語ですが、必ずしもそうではありません。例えば、内方脚を使ったら、馬が内方姿勢をとる。これも、コンタクトと譲りの一種です。
馬とのコミュニケーションをする際には、必ず必要な考え方です。
合図とコンタクトの違い:「命令」と「同意」
ここまで聞くと、今までの合図と何が違うの?と思う方もいると思います。
脚や鞭を使って「こうしてください」と指示をして、馬がそれに対して動く。特に、変わらないような気がしますよね。
ですが、単なる合図と、コンタクトでは、明確に違う考え方が一点あります。
それは、合図での指示が、「こうしなさいという命令」なのに対し、コンタクトは、「同意を求める操作」だという事です。
というのも、高度な馬術は、馬自体にも大きな負荷がかかるものです。
障害の高いジャンプしかり、馬場のピアッフェ(その場足踏み)など、人間のパワー以上に「馬力」を出さないと成立しませんからね。
となると、人間が、嫌がる馬の体を力で無理やり動かすには、限界があります。
馬が自ら「動いてあげよう」という姿勢を作らないと、「馬本来の躍動感」のレベルまで到達しないんです。
そのため、馬の様子にお構いなく、やってほしい事を一方的に伝える「合図」では、高度な馬術は出来ません。
「やってもらえないかな?」というコンタクトをとり、馬から「もっとこうしてほしい」という反応が返ってくる。
それを繰り返し、「それなら良いや」と譲りをもらうからこそ、馬は協力してくれるんです。
厳密に言えば、合図と扶助の違いもそこにあります。
「合図」は指示の動作の事を表しますが、「扶助」は、馬が求める形をとるための手助けの事を言うんです。
自分がやっている指示が「合図」なのか「扶助」なのか、馬に乗る人間として、常に考えていたいですね。
馬からの主張と譲り
合図とコンタクトで、明確に違う考え方は、もう一つあります。
それは、馬からの抵抗に対しての考え方です。
コンタクトでは、馬が指示に対して抵抗をした時、それを「馬からの主張」と考えます。「反抗」ではなく、「私はこうなんだけど」と意見を返してきてると考えるんですね。
どうですか?→ちょっと違う。→こうですか?→もっと工夫して。→あ、こうですね。→そうそう。
正しいコンタクトを行うと、馬がそれを受け入れ、正解と教えてくれます。これが「譲り」です。
このように、コンタクトと譲りは、「合図→否定」のような、単発のやりとりではなく、交渉のようなやりとりです。
馬に集中し、抵抗の仕方を見て、主張の意味を考える必要があるんです。
「それで良いんです」のコミュニケーション
また、求めた動きをしてくれた時、正解だと教える「譲り」は、何も馬だけの行動ではありません。
馬が求めた形をした時、正解だよと楽にしてあげる。こうする事で、僕たちも馬に譲る事が出来ます。
例えば、馬の首を30度ほど起こすとしましょう。
馬が首を30度上げたら、それで正解と楽にしてあげる。こうする事で、「首を上げてたら楽にしてもらえる」と、馬に正解を教える事が出来ます。
もしこの時、首を30度上げても手綱を楽にしなかったら、言われたとおりにしたのに苦しさが無くなりません。
そうなると、馬は人間の指示が理解できず、言う事を聞かなくなります。
馬と人間が、互いに相手の主張を考え、こうかな?と問いかけ、それで良いんですと答える。
こんな、馬との意思疎通が、コンタクトと譲りなんですよ。
まとめ!
今回は、コンタクトと譲りについて、基本的な考え方を解説しました!
言葉が使えない馬との、お互いの主張の探り合い。それが、コンタクトと譲りです。
ここから、「ただ馬を動かす」だった初心者乗馬が、「馬を読む」というコミュニケーションに変わっていきます。
馬本来の力を活かした馬術の始まりです。ぜひ、馬との時間に集中し、楽しんでくださいね。
ご覧いただき、ありがとうございました!