駈歩が続かない…。発進も随伴も出来てると思うんだけどな。自分から走ってくれる馬だと続くんだけど、走ってくれない馬だと止まっちゃう。どうして?
そんな悩みにお答えします!
どんなに発進や随伴が良くても、馬自体の気持ちが「走りたくない」なら、そのうち速歩や常歩に落ちてしまいます。
馬という湯舟の栓が抜けているなら、それ以上にパワーを送り込むしかありません。今回は、その方法について解説していきます。
また、こちらの、駈歩を覚えようシリーズを先に見ていただくと、内容の理解が深まると思います。もし良ければ、合わせてご覧ください。
駈歩を覚えよう!その1:駈歩の習得の流れを知ろう随伴運動の再確認
さて、駈歩の継続脚は、随伴運動をした上で、その動きの邪魔をせずに行わなければいけません。脚を使った結果、随伴が出来なかったら、馬の動きに付いていけなくなり、そこから突き上げを受けますからね。
という事で、随伴の動きを再確認していきましょう。
- 鐙に重みが乗る程度に肩を前に出す
- 馬の内側前脚の着地と同時に、鐙を踏む
- 脚扶助と同時に、腰を引き上げる
駈歩の継続脚は、この3の動きと同時に行います。
駈歩を覚えようシリーズでは、脚に込めた力を上に引き上げ、そのまま腰にスライドして持ち上げるという説明をしました。
駈歩を覚えよう!その5:継続と、馬のパワーの確認方法ですが、抽象的すぎて、よく分からなかった方もいると思います。
改めて、解説していきますね。
具体的な方法
継続中の脚扶助ですが、全部で4つの流れとなります。
- 爪先と膝を前に向けた状態で、鐙を踏む
- 鐙を踏んだまま、太もも部分で鞍を挟む
- 太ももを挟んだ状態で、かかとを内に入れて脚合図
- 爪先と膝の向きを前に戻す
なお、この足の動きは、馬に乗ってない時でも練習ができます。もし、周りに椅子などがあったら、太ももに手を添えて、やってみて下さいね。
肩を軽く前に出し、馬の内側前脚の着地に合わせ、鐙を踏みます。
この時、爪先と、膝が前に向いているのが重要です。後程解説しますが、最初から足が開いていたら意味がありません。気を付けて下さい。
鞍のシートの、一番深い所にお尻が移動するタイミングになります。
重心を落とした状態のまま、鞍を太ももで挟みましょう。
この時に膝が浮いたり開いたりすると、改めて意味が無くなります。そのため、膝より上で挟むようにしてください。
かかとが下がっていれば、なお良いですよ。
鞍に付けた太ももと膝の向きはそのままにして、かかとだけ内側にひねって脚合図をしてみて下さい。
するとなぜか、太ももの前面の筋肉と、お尻の筋肉が、急に引き締まるんですね。この動きをする事で、脚合図に使う力が、そのまま自分のお尻を引き締める力になります。
ここが、随伴でいう、腰を前にスライドさせる部分ですね。力の流れのまま、腰を上に引き上げましょう。
4.爪先と膝の向きを前に戻す
腰が持ち上がり、1回の随伴のサイクルが終わったら、爪先と膝の向きを前に戻しましょう。
そうすると、前に突き出していた腰が、元に戻っていきます。そのまま肩を前に出し、最初のサイクルに戻りましょう。
継続の脚扶助を行う際のポイント
継続の脚扶助を行う際のポイントは2つです。
- しっかりと重心を落とす事
- 下カーブの、腰の動きを意識する事
それぞれ解説していきましょう。
この動きは、膝が浮いていたり、外を向いていたりすると、筋肉が引き締まらず、上手くいきません。
そのためにも、胴体の重心も鐙に乗せ、下半身をしっかり落とす事が重要になります。前傾にこそなってはいけませんが、棒立ちにもならないようにしましょう。
また、重心を落としっぱなしでは、馬の前脚が持ち上がらなくなり、駈歩が止まってしまいます。
下げたままで終わりにするのではなく、先程解説した動きを使って、しっかり上に腰を引き上げましょう。鞍のシート部分と同じように、下カーブの動きを心掛けて下さい。
まとめ!
今回は、継続中の脚扶助について、解説をしました!
やる気のある馬に、この随伴を使うと、大きく走りすぎる場合もあります。発進と随伴だけで動き続けてくれる馬には、使わないようにしましょう。
個人的に、駈歩で難しいのは、馬の脚の1回転を把握しないといけない点だと思います。
発進にしても、随伴にしても、継続にしても、馬の回転のリズムを間違えれば、流れを止めてしまいますからね。速く走っている中で、馬の一歩一歩に意識を向けるのは、なかなか難しいでしょう。
まずは、イメージで構わないので、騎乗中の動きをスローモーションで再現してみましょう。
馬がこうなったら自分がこうして、その結果こういう反応をするから~と、順を追っていけるようになると、徐々に冷静な判断が出来るようになります。
世の中には、高速の職人芸ってあるじゃないですか。餅つきとか、電卓とかタイピングとか。そのほとんども、最初はゆっくりから始まっています。
馬の流れに持って行かれず、自分が付いていける基準に落として、物事を考えてみてくださいね。
ご覧いただき、ありがとうございました!