レッスン中、待機してるように言われたけど、ジッとしてたら、馬の集中が切れちゃうよ…。せっかく準備でやる気を出させたのに…。
そんな悩みにお答えします!
確かにこれは、よく見る光景ではあります。
障害のコースを同時に走れないから。馬場の経路に乱入できないから。レッスンの頭数が多いから。様々な理由で、この状況は発生します。
今回は、ジッとしながらも、馬の集中力を保つ方法について解説しますね!
待機中の馬への対応
結論から言うと、待機をしている場合に出来る対応は、3つのどれかです。
- 気を抜いた時だけ問いかけをする
- 集中力を維持させる
- 短時間で馬を起こせるようになる
解説をしていきましょう。
待機をしているという事は、走っている時よりは馬の様子を見れると思います。
その中で、馬が気を抜いた瞬間があったら、その瞬間に、何かしらの合図を加えてあげましょう。
ハミをゆするでも、発進合図にならない程度の脚でも構いません。何かしらのリアクションをとる事が大切です。
馬が気を抜いた時に出るアクションは、以下の通りです。
- ハミにもたれかかる
- 起きていた首が脱力して下がる
- 人とは違うものに集中し始める
- 歩幅が小さくなる
- 背中の運動が小さくなる
- 溜め息をつく など
程度にもよりますが、僕の感覚だと、4秒に1回くらいは、乗り手は何かしらの合図はしているのではないでしょうか?
もし、この変化が分からないなら、まずは馬の様子を見分けられるようになりましょう。
大事なのは、「馬のスイッチが切れた瞬間に行う事」です。魚釣りのウキじゃないですが、沈んだ瞬間には合図をしていたいですね。
そうする事で、完全にだらける前に、頭に人間を思い出させる事ができます。
また、馬が反応して、初めて成功です。例えば本当に眠い馬などは、ちょっとばかりハミをゆすっても反応してくれません。
馬がリアクションをするくらいの加減にしてあげて下さいね。
車のエンジンのアイドリングと、理屈は同じです。
要は、「1km分のアクセルを使った後、1km分のブレーキをかける」を交互に繰り返す事で、馬というエンジンをふかしつつ、走らせない方法です。
これは、馬の収縮や、発進前の溜めに使う、少し高度な技術です。
特にブレーキは、手綱だけで行うと口だけにストレスがかかるので、半減却などの技術が必要になります。
正直、一番効果的ではありますが、あまり良い方法ではありません。
教える側としても、待機させている人が、馬にこまめに脚やブレーキをかけてるのは、見ていて心配です。
また、加減を間違えると、「じゃあどうすれば良いんだ!」と馬が怒り始めるリスクもあります。
自分の番が回ってきてすぐに、しっかりと運動をしたいなら1つの手ですが、馬の様子を見ながら行って下さい。
すぐに出来る簡単な指示を、短時間に連続で出して、馬を起こす方法です。
前に出る→首を起こす→前に出る→ハミを引っ掛ける→前に出る→停止→前に出るなどですね。1つ1つの指示に対して、動いた事を確認してから、次の指示をして下さい。
ポイントは、「すぐに出来る指示」という事です。「朝飯前」という言葉のように、眠いながらも取り組む事が出来る指示にしてください。
そうする事で、人間の指示を聞くという流れを作る事が出来ますし、馬の脳も冴えていきます。
「起きろ!」と言いたいものですが、いきなり強い指示を出したら、ボーっとしていた馬からしたら大きなショックです。
だからといって、いきなり100%の姿勢を求めても、起きてすぐには出来ません。
これだったら楽に出来るわという指示を、テンポよく出していく事で、1ずつ、馬の処理能力と姿勢を求めていきましょう。
馬を起こす際に考慮してほしいポイント
さて、今回の内容では、全体を通して、前提になるポイントが2つあります。
- 待機以前の運動で、意識を人に向ける
- 15分あれば、馬は寝る
解説していきますね。
先程まで解説していた内容は全て、待機時間よりも前の準備運動で、馬の意識を人間に向けておく事が前提になります。
というのも、レッスンが始まった段階から、馬は乗り手の事を観察しています。最初から、馬の意識を人に向けてなければ、準備運動の段階で、馬は休憩モードに入ってしまいます。
待機をするレッスンは基本的に、自分の番が回ってきた後が本番になる事が多いです。
だからといって、準備運動を何となくではやらないようにして下さいね。
ご存じかもしれませんが、馬は15分から30分の睡眠を、1日で何回も繰り返す動物です。
つまり、15分待機してれば、立ちながらでも、馬は1回のお休みとおはようを経験できるんです。
僕たちからしたら、15分の待ち時間です。ただ、馬からしたら、新しい1日の始まりかもしれません…(笑)
最初に準備運動をしたからといって、さあ行くぞ!と、急な激しい運動は求めないようにしておきましょう。面倒ですが、準備のやり直しです。
まとめ!
今回は、馬の集中力を維持する方法について解説しました!
動き回れる待機馬場なら、まだ意識は保てますが、止まっていると難しいですよね。砂浴びの危険性もありますし、このテクニックは必要になると思います。
子供の片づけではないですが、散らかってる部屋を、「片して!」とだけ言っても、面倒がってやろうとしません。
1つずつ、小さな事から集中させていきましょう。その結果、求めた姿勢に繋がっていきますよ。
ご覧いただき、ありがとうございました!