前回、こちらの記事を投稿しました。今回の内容は、その追記になります。
問題馬がいる。クラブや指導員も適当。どうすれば良い?前回の記事の結論を簡単にまとめると、「運営側の問題は、会員側では関与できません。それでも我慢するか、自分がやりたい事を出来る環境に移りましょう」になります。
ですが、おかしいと分かっていながら、どうにも出来ないのは、正直嫌ですよね。
今回は、乗馬業界が抱えるちょっとした問題を踏まえながら、僕たちに出来る事を考えていきたいと思います。
たかが元インストラクターが何を言ってるんだとも思いますが、本当に「興味がある方だけ」ご覧下さい。
乗馬業界が抱える問題
さて、本来であれば、問題のあるクラブには、外部の人間や組織が介入しても、おかしくないものです。
それで、評価を得てるなら良いですよ。でも、会員という、お金を頂いてるメンバーから批評があれば、運営側はそのやり方を変える必要があります。
また、会員側からしても、自分たちのお金や時間、そしてお金を払っている財産(馬)が、適当に扱われてるとなれば、消費者センターのような、相談する機関があっても良いように思えます。
売り上げが低迷している会社にコンサルタントが入るように。あまりにも劣悪な環境のペットショップが通報されるように。ですね。
ですが、乗馬業界には、その考えが通用しません。
なぜなら、ある意味芸術の世界だからです。
芸術に「普通」ってありませんよね。皆、個性があり、それが当たり前です。
ですが、結果としてその考え方が、今の乗馬業界を作っているんです。
個性という名の「砦」
乗馬施設を開くような方たちは、「自分が描く理想の馬世界を作りたい」という気持ちがすごい強いです。
そのため、金銭のために、外部からの評価のために、自分のやり方を曲げるのを嫌います。
この「自分が描く」というのが厄介なんですね。
芸術家が、売れてる方の作風を受け入れつつも、結局は自分の趣向を貫くように、その方にとっては、自分のやり方で行う事にこそ意味があるんです。結果、自分より腕のある方の意見でも、取り入れられる事は少ないです。
また、外部の機関も、正直効果を成しません。理由は、あまりにも馬が専門的すぎるからです。
満足な馬が提供されてないと言われたところで、満足な馬の基準が分からないんですね。
仮に、「こんな苦情が出ています」と言ったところで、指導する人は扱えるんですよ。
そうなると、会員側の実力不足という話になり、「まあ、習い事ですし、出来ない事もありますよね」と言われてしまうんです。
結果として、馬を扱える人が、自己満足のために馬に乗る、外部からの目もない「砦」が出来るんですね。
本来だったら、こんなのは相手にもされないんですよ。道端に「おがわのアトリエ」なんてあったって、誰も見向きもしないじゃないですか。
ですが、そこに出てきてしまうのが「馬」なんですね。馬が持つ魅力は、僕達をドキドキさせるには、十分すぎるんです。
そうして、馬の魅力に惹かれて砦に入った人が、そこのルールに疑問を抱く。でも、馬は可愛いしな…という、現在の乗馬業界が抱える問題が出来上がります。
対策
さて、そのような状態を何とかするには、どうすれば良いのでしょう?
結論は、砦が壊れないなら、砦にいる箱入り娘に、外の世界を教えてあげるんです。そうしたら、外の世界も見たいと思いますよね。
僕が考えるに、方法は2つあります。
- 全体の馬知識を底上げしてしまう
- 透明性のある馬団体を作る
解説していきましょう。
まずは、全体の馬知識を底上げしてしまう事です。
例えば犬や猫が、1日中檻の中で、多頭数飼いをされていて、なぜかずっと吠えてるとなれば、これはおかしいのでは?と分かりますよね。
ところが、馬の場合、あまりにも知識が普及してなさすぎるんです。そのため、これが普通なんですと言われたら、一般の方は分からないんですよね。
という事は、馬ってこういう生き物で、本来はこう扱うものという知識が普及すれば、「どうせ会員は素人だし」といった、劣悪な営業が出来なくなります。
また、いっその事、全ての活動を、世間に公開する団体を作るという方法です。
そうすると、違うクラブにいる方でも、「あれ、あのクラブではこんな事してるのに…」と、自分のクラブとの違いに気づくわけですね。
結果、「これが普通」という考え方が変わります。
一個人が出来る事
実は、僕が今のような活動をしているのも、今回の内容が関係しています。
先程、馬業界を良くする方法として挙げた「全体の知識を底上げする」という内容ですね。
馬の知識を、ひたすら発信していく事で、それを聞いてくれている方の馬知識を底上げしてしまえば、無知なまま砦の中で悩んでる人が少なくなる。そう思ったから、この活動をしています。
幸い、チャンネル登録者数は1000人を超え、有料メンバーも集まり始めてくれました。ある程度、受け入れられてはいるんだなと、感謝をしています。
馬には、もっと沢山の魅力や才能があると、僕は思っています。
それを開花させるためには、乗馬業界全体で、馬に真摯に向き合わなきゃいけません。
それぞれの砦が、一つのやり方やお金にこだわって、馬の可能性を潰している場合ではないんです。
だからこそ、皆さんには、色々な経験をしてほしいと思っています。
一つの施設にずっといるのではなく、外乗や、他の指導員のレッスンなど、様々な経験をしてほしいです。
そうして、「馬ってこんなに、色々な事が出来るんだ」と知って下さい。
ユーザーの「普通」のレベルが上がれば、業界はサービスのレベルを上げる必要が出てきます。それが、直接運営に関われない、僕たちが出来る手段です。
まとめ!
今回は、乗馬業界が抱える問題と、それに対して出来る事をお話ししました!
冒頭にも言ったように、たかが元インストラクターの戯言ですが、最後まで読んで下さった方に感謝します。
現状、SNSの普及により、外の情報は、以前よりは得やすくなってきています。
また、クラブや団体を越えたイベントや取り組みも増えてきてます。ホースメッセというイベントなどが代表例ですよね。
これは、とても良い流れだと思います。
こうして、世の中に対してオープンになり、一般の方も巻き込めるようになれば、もっと馬は普及するでしょう。なんといっても、馬は魅力的ですからね。
理想を言えば、僕も将来的に、もう一つの方法である、透明性のある馬団体を作って貢献したいと思っています。
その時は、皆様仲良くしていただければ幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!