乗りにくい馬や、問題を抱えた馬がいる…。でも、クラブ側は何もしてくれない。何か良い方法はないの?
そんな疑問にお答えします!
この問題を、大きく分けると2つになります。
- 指導員が役に立たない中、馬はどうすれば良くなるのか
- 指導員の方針に困ってるのだが、どうすれば良いか
正直、出来る事は限られますが、解説していきますね!
ただ、先に言っておきます。運営側の問題は、会員側ではどうにも出来ません。
今回の記事も、最後まで見ても、明快な解決策は提示出来ていません。なにとぞご了承ください。
馬の調教は、一般の方には難しい
まずは、1つ目の問題ですね。指導員が役に立たない中、馬はどうすれば良くなるのかです。
結論から言うと、一般の方が、どんなにその馬に乗っても、馬が良くなるのは難しいと思います。
反抗するのが癖になってる馬って、「我慢しない馬」なんですよ。
乗り手の矛盾した指示や、身についてない乗り方に対して、「下手くそ!」って言えちゃう馬なんですね。
そんなこと言ったら、初心者の方は一切乗れませんが、そもそも馬に乗るという行為自体が、人間都合の行為ですからね。
馬からしたら、「だったら乗らなければ良いじゃん」という話です。性格が悪いのではなく、動物的に言えば、いたって普通の反応です。
ある程度騎乗技術が高い方が乗らないと、そのような馬は落ち着きもしないと思います。
ですが、乗馬クラブという業態上、調教出来る方が乗る1回よりも、そうでない方が乗る回数の方が多いです。
結果、馬を作る回数より壊す回数の方が多くなるため、どうにも出来ません。これは、運営側が介入する事で、初めて解決する問題です。
もちろん、皆さんのレベルがとても高ければ、限られた時間で調教する事も可能です。
ですが、少なくとも練習中の方には、とても難しいと思います。
トップの方針に困っているのなら、解決は難しい
続いて、2つ目の問題ですね。指導員の方針に困ってるという内容です。
結論から言うと、こちらも解決は難しいです。
もし、その指導員の方に上司がいたら、その方に相談するのが確実ですが、トップがそうなのだとしたら、変えようがありません。
ただ、ここで注意しておきたい事が1つあります。
それは、乗れない人間を考慮しないという問題は、必ずしも「いい加減」が原因ではないという事です。
「馬に乗りたいんだったら、自分が上手くなる事を考えろよ。なんで自分が下手なのを、馬に我慢してもらおうとするんだ」
そう考えた結果、人間に容赦しないという方もいるんですね。
そのような方は、初心者にも高度な要求をします。
でもって、小さなところから頑張っていこうなんて考えません。そうやってる間にも、馬は迷惑を被っているからです。
調整で馬に乗っても、もしかしたら、「初心者でも乗れるように負荷をかける」という練習をしてないのかもしれません。
まあ、「職人さん」なんですよ。作品の為に仕事の為に、乗馬クラブなら馬に乗るために、苦労や手間をかけるのが当然という考え方です。
改めて、そのような方、あるいはいいかげんな方が、全てを仕切っていると、今回の質問のようなお悩みが出てきます。
一般の方には、一般の方なりの楽しみ方があるというのを、否定されてるようなものですからね。会員という立場では、少々辛いです。
会員側が出来る行動
さて、ここまでで分かった通り、運営側の問題には、会員側はほとんど関与できません。
ただ、それが分かった後に、会員側の行動は、以下の3つに分かれます。
- 指導員の考え方を改めてもらう
- 違う環境でレベルを上げる
- その指導員の言うとおりにする
正直言って、根本の解決策はありません。人によっては、実行も難しいと思います。
それでも、悶々としてるよりは良いと思うので、解説していきますね。
いいかげんな方は、もちろんそのままではいけません。
ただ、人に容赦がない方も、ちょっと極端ではあります。
確かに、その方の考えは合っています。馬という動物に、真摯に向き合っているからこそ、そのような考え方になっています。
ですが、全ての人が、馬と接する時間に全てを費やせるわけではありません。所属しているのが、競技専門の乗馬クラブなら分かりますが、一般の方を対象としている乗馬クラブなら、それを考慮する必要があります。
初心者の方は、きっと馬に負担をかけちゃうだろうから、負担がかかっても跳ねないような馬にしないといけないな。
そうやって、馬を作ってもらえるよう、本人に考え方を変えてもらうというのがこの対策です。
ただ、一度そういった価値観になった方は、人間の都合で馬に苦労を強いるという事に明確に嫌悪感を抱きます。
また、会員の立場から、指導員に物言いをする事自体も抵抗がありますからね。先程も言ったように、その方がトップなら、この方法は難しいでしょう。
乗馬クラブを変えるはもちろん、乗る馬を変える。教わる指導員を変えるなども、方法の1つです。
要は、先程の指導員や馬は、上級レベルだったという事です。
「まだ、自分は上級ではないかな?」と、少し下のレベルで経験を積む。それは、いたって普通の行為です。
人間に求められるレベルが下がれば、馬に求めるレベルも合わせて下がります。結果、馬の負担も少なくなるんです。
ただ、これは言い換えれば、「逃げた」とも捉われかねません。
また、多くの方がこの選択肢を選ぶから、乗りやすい馬や優しい指導員に、人が集中します。
そうすると、乗りやすい馬の負担が増えたり、優しい指導員のレッスンが定員で、乗れない時間も生まれます。
別の問題が出てきてしまうのが難点です。
馬も、指導員も、高度な内容を求めてくるという事は、それについていけるようになれば確実にレベルは上がります。
もし、その指導員が、いいかげんな方じゃなければ、質問者さんのクラブにも、その方のレッスンをメインにしている方は居ると思います。厳しかろうが、上手に乗りたいと思っている方でしょう。
一応、選択肢としては出てくる対策です。
ただ、出来ない事に挑み続けるのは、なかなか勇気が必要です。そうしなさいとは、僕からは言えません。
まとめと、おがわ個人の意見
今回の内容を簡単にまとめると、運営側に問題があった時、会員側はどうすれば良いの?という内容でした。
結論、関与出来る事はありません。ここまで話した上で、解決策を提示できず、申し訳ないです。
これって、とても難しい悩みなんですよ。先程の3つの対策だって、どれも何かしらは引っかかりがあるじゃないですか。
また、この悩みって、意外と多くの乗馬クラブが抱えている問題でもあります。運営側に不満があるけど、会員という立場だから文句は言えないという問題です。
商売的に言ったら、そのクラブに行かなきゃ良いじゃんと割り切れるんですよ。
ユーザーが求めてる事と違う事をやってれば、客が離れて潰れる。まあ、普通の事です。
ですが、そこに馬の命が関わってくるから、この問題は深刻化します。
見限るにしても、愛着を持った馬とは別れたくないという具合です。こうなると、もう泥沼です。
結論、悲しい話ですが、どちらかしかないんですよね。
- そのクラブに居る理由があるから、そのクラブで上手くなる
- 自分の騎乗や、馬とやりたい事をとって、そのクラブから離れる
ちなみに僕は、後者を選びました。
当時はこれで良いのかなと思いましたが、そうしたから今の自分がいますからね。悪い事ばかりではないと思ってます。
どちらにしても、後悔は残ると思います。ですが、どちらを選んでも、周りは否定できません。
ただ、皆さんが、そこまで真剣に、馬の事を考えてくれているのは事実ですし、変わりません。
そんな方が周りにいるというだけでも、馬にとってはありがたい事だと思いますよ。
その熱意は、大事なものです。忘れないで下さいね。
ご覧いただき、ありがとうございました!
追記はこちら!
乗馬業界の問題と今後の馬の普及を、元指導員が考えてみた