馬に優しすぎるって言われるけど、むやみやたらに怒ってもなあ…。悪気はないと思うし、どのくらいの距離感で接すれば良いの?
そんな疑問にお答えします!
以前僕は、こちらの記事の中で、「馬に強気に出れない人の多くが、とても優しい方」と書きました。
馬になめられる方へ。落ち込む前に、知ってほしい考え方ああ、あなたは走りたくないのね。お腹空いたよね。など、馬の主張が分かってしまうからこそ、強気に出れないんです。その気持ち、とてもよく分かります。
今回は、そんな方にお伝えしたい内容です。優しさと厳しさの両立についてです。
ちょっと厳しい内容になりますが、知っておいて損はないと思います。興味がある方だけ、ご覧ください。
優しさは絶対に必要
さて、優しいという気持ち自体は、とても良いものです。
相手の事を考え、相手にとって良い事をしてあげたい。その気持ちが、優しさです。
これは、コミュニケーションにおいて、必ず必要となる考え方です。
相手の事を考えるからこそ、相手の事が読み取れます。全ての人が、自分の事だけ考えていたら、衝突しか起こりませんよね。
特に馬は、言葉を使わないので、自分から寄り添わなければ、関係は進展していきません。
力づくでも馬には乗れますが、いずれ限界が来ます。僕は、乗馬の馬で通用していた事が、競走馬相手に一切通用しませんでした。
馬の事を理解しようとするから、「こうしたら馬は動きやすいかな?」と、そもそも考えられるわけです。
でも、最低限の厳しさも必要
ですが、時に馬は、人がやられると困る事もしたがります。
曳き馬の時に、違う方向に人を引きずる。乗ってる最中に寝転がるなどですね。
それらも馬の本能だからと言えば、仕方がない事です。
ただ、人間に危害を加える事だけは、許しても良い事ではありません。
なので、最低限の厳しさは持っておかなきゃいけません。
「この人は優しいから、何をやっても許してくれる」ではいけないんですね。「人が許す範囲で、好きな事をさせてもらえる」にする必要があります。
そのためには、駄目な事は駄目だと言えるようにならなきゃいけないんです。
馬に主張を伝えるために、身に付けておきたい事
そのために、身に付けなきゃいけない事が、3つあります。
- 何が良くて、何が悪いかをしっかり理解する事
- しっかり叱れる事
- 馬を許せる事
この上で、じゃあどうするのが正解なの?まで教えられるのが一番ですが、それは初心者の方には難しいです。
まずは、駄目な事は駄目と、言えるようになりましょう。1つずつ、解説していきますね。
これは良い事、これは悪い事と、しっかり人間が分かってるから、駄目な事をした時に叱れるわけです。
これって、やっちゃいけないのかなーと叱る本人が思っていたら、強く叱れないし、「なんでいけないの?」と言われた時に、言い返せません。
これは、口で言うのは簡単だけど、とても難しいんですよ。それが駄目だと言える、明確な理由を持ってないといけませんからね。
ただ、初めての人でも、自らの身の危険については、理解できるはずです。
馬が全力疾走し始めた時に、「馬が走りたいって言ってるから」とはならないと思います。なりふり構わず、全力でブレーキをしますよね。
まずは、それで良いと思います。それ以外については、一緒に徐々に覚えていきましょう。
あ、きっとこれは駄目な事だなと思っていても、何も言えなかったら馬は分かりません。
馬は、やりたいからやるし、やっちゃいけない理由が無ければやめません。というか、そもそも駄目とも思ってないかもしれません。
だからこそ、それが駄目だと知っている側が、駄目な事だと教える必要があります。
なんで?と言われるかもしれないけど、それでも、しっかり駄目だと言える強さを持ってないといけません。
最初のうちは、これが難しいんです。馬の反抗や主張以上に、自分の主張を押し通すのは怖いですからね。
そのために、教える側の人がいます。𠮟れない人の代わりに、馬をコントロールするのも、僕たちの役割です。
ただ、身の危険については、しっかりと自分で主張出来るようになりましょうね。
あれも駄目!これも駄目!と、マイナスの事ばかり言ってても、「じゃあ何だったら良いんだ」と馬は怒ります。
だからこそ、自分に危害が無い時には、馬を楽にしてあげないといけません。
意外と、これも難しいものです。初心者のうちは、ちょっと馬が首を振っただけで、何かされる!と体が固まってしまいますからね。
なので、馬を許せるようになるには、馬が何かしても、「子供のイタズラねー」と余裕を持てるようにならないといけません。
乗れるようになるもそうだし、馬を理解するもそうです。大人の余裕を持てないといけません。
だからこそ、初心者のうちは、厳しく出来なくて当たり前なんです。そのために、教える人が付きっきりで見ているんですよ。
オススメの考え方
個人的にオススメするのは、学校の先生になった気分で、馬と接してみる事です。
先生と生徒も、仲良くする分には、問題ありませんよね。でも、授業中に走り回ってたり、他の子をいじめたりしてたら、注意をしなきゃいけません。
そのためには、しっかり叱れないといけないし、どうして?って言われた時に、言い返せる理屈も必要です。
また、後を引くと、怖い先生になってしまうため、叱る時以外はにこやかに褒めてあげたいですよね。
馬業界の言葉に、馬に乗る人は、みんな調教師って言葉があります。
馬に携わる全ての人が、馬に何かしらの教育をしているという考え方です。
例えば、誰か一人が、甘噛みされても気にしないって態度をしてたら、その馬は他の人にも、甘噛みをして良いんだと思うようになります。
結果、唇でモシャモシャされるだけで怖い人が、「馬って怖い」と思ってしまうんです。皆さんが、馬の教育をしているわけです。
改めて、優しさは必要です。でも、優しいと、好きにさせてあげるは違うんです。
その子が、誰からも「良い子ね」と言ってもらえるように、厳しさも持って、みんなで育てていきましょう。
まとめ!
今回は、優しさと厳しさの両立について、解説をしていきました!
正直、この話を聞いたからって、すぐに馬に強気で立ち向かえるとは思っていません。それほどまでに、馬は力強い動物です。
ですが、好き放題させて良いというわけじゃないのは分かりますよね。まずは、それだけで良いんです。
その気持ちさえ消えなければ、徐々に対応は出来るようになります。
考えるヒントは、僕からも提供できます。一緒に頑張っていきましょう!
ご覧いただき、ありがとうございました!
こちらの記事も、参考になれば幸いです!
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