馬の蹄をキレイにしてと言われたけど、やり方が分からない!ジッとしてる?蹴られたり、踏まれたりしない?
そんな悩みにお答えします!
数ある馬の手入れの中でも、初心者の方が特に悩むのが、この裏掘りです。
今回は、そんな悩みを持つ方に、裏掘りについてお話ししたいと思います!
これで正しい!と自信を持てれば、何も知らない時より堂々としてられるはず!その為にも、是非ご覧下さい!
最初に:大切なのは、自分が怪我をしない事
手入れは、特に馬に近づく時間です。中でも脚の手入れは、初心者にとって大きな難関です。
何故かというと、「恐る恐る出来ないから」なんですね。
馬の体重を支えるためには、ある程度しっかりと、脚を持たないといけません。
なので、他の手入れみたいに、「遠くから安全に」というやり方が出来ないんです。
もちろんジッとしてればそれが一番ですが、中にはジッとしてない馬も居ます。
でも、馬を大人しくさせる魔法は、残念ながら存在しません。出来て、気を紛らわせてあげるくらいです。
馬をキレイにするのは大事ですが、それよりも自分が怪我をしない事を優先しましょう。
ただ、怖さが抜けず、ずーっと出来ないままなのも嫌ですよね。
安全な方法を覚え、徐々に慣れていきましょう。
なお、馬の感情表現を理解できると、事前に危険を察知できます。参考の記事を張っておきますので、ご参考まで。
馬の感情表現を知ろう!リラックス中や怒ってる時の特徴は?
裏掘りをする際の注意
裏掘りをする際の注意点は2つです。
- 馬とのスペースを開け、横から手を伸ばして行う
- 手早く行う
それぞれ解説していきましょう。
スペースがあれば、多少馬が動いても避けられますし、踏まれません。
自分の安全地帯を確保しておくのは、とても大切な事です。
どうしてもスペースがなかったら、前脚の付け根を押してあげましょう。
ただ、押されたことに反応する馬もいるので、首の動きには気をつけて下さいね。
難しいですが、大事な事です。
人が横に居る時は、多少は馬も我慢してくれますが、それも限界があります。
馬だって、なるべくなら3本脚という不自然なバランスで立っていたくはありません。
特に夏は虫が出てくるため、じっとしてられないです。
何回かに分けても良いので、長時間持ちっぱなしという事は避けましょう。
裏掘りのやり方
さてここからは、裏掘りのやり方を、順を追って解説していきます。
- てっぴを準備する
- 立ち位置
- 持ち上げ方:前脚
- 持ち上げ方:後ろ脚
- 汚れを取る
それぞれ解説していきますね。
蹄を掃除する道具の事を、てっぴと言います。
漢字で鉄の爪と書きますが、特殊な読み方になるからか、ひらがなで書かれることが多いですね。
太い歯ブラシみたいな道具で、片面にブラシ、片面に泥を掘るフックが付いてます。
使いすぎて、ブラシ部分が金ダワシのようにグチャグチャになっている物もありますが、なるべく毛が立っている物を選びましょう。歯ブラシと同じですね。
馬の顔にお尻を向けるように、裏掘りをしたい足の横に立ちましょう。
この時、馬の足の前後に自分の足を入れちゃうと、馬が脚を下ろした時に踏まれてしまいます。馬の体より外に、両足を置くようにしてください。
ヒョイと自分の足をズラしたら避けられるようにはしたいですね。
離れすぎても力が入りませんが、近づきすぎないようにしましょう。
まずは、前脚の上げ方を説明します。
馬の脚を後ろから見ると、下から順に蹄があって、球節というぽっこりした膨らみがあって、その上に腱が通ってると思います。人間で言う、アキレス腱の部分ですね。
多くの馬は、ここをチョイと摘まむと、違和感を感じて、脚を上げてくれます。
そしたら、上げてくれた脚の内側に手を伸ばし、抱えるように蹄の付け根を持って引き上げましょう。
この時、脚を軽く折り畳んであげると、馬もバランスがぐらつきません。
ただ、踏まれるのは前後関係なく危険です。馬に近い方の足だけでも、すぐ動かせるようにしておきましょう。
後ろ脚も同じように、アキレス腱の部分をつまみましょう。
反応が良い馬なら、それだけで脚を上げてくれます。
もし上げてくれなかった場合、一度馬を前後させたり、反対方向に押したりして、馬のバランスを変えてあげましょう。
後ろ脚は、前脚よりもキック力があります。よほど馬の扱いに慣れてなければ、力づくで上げるのは止めた方が良いです。
馬が軽くでも脚を上げてくれたら、その脚を、前から抱えに行きます。
ボーリングのボールを投げる動きで、馬の蹄をキャッチし、すくい上げるイメージですね。
前から持ってあげる事で、仮に馬が後ろにキックをしたとしても、当たらずに済みます。
この時、持っている自分の手首、肘を固定して、腕を一本の棒にするイメージを持つと、脚の重さを支えやすいですよ。
蹄を持ち上げたら、裏に詰まった汚れをとっていきます。
てっぴのフックで詰まった汚れを取り、だいたい無くなったら、最後にブラシで磨いてあげましょう。
ここでも2つほど、ポイントがあります。
蹄の根本から、蹄の先に向けて汚れをとる
蹄の裏には、蹄叉(ていさ)という、アルファベットのVの形に似た二股の溝があります。
この蹄叉は、蹄の先端に近づくほど浅くなり、根本に近づくほど深くなるんですね。
なので、根本の方向に汚れをかくと、その溝にフックが引っかかってしまいます。
馬も痛いし、引っかかった状態で脚を下ろしたら僕たちも危険です。先端の浅い方に向けてかいてあげましょう。
軽く力を入れるくらいには、フックを押しつけて良い
裏掘りの際に、初心者の方が悩むのが、どれくらい強くかいて良いのか、です。
弱すぎても汚れは取れませんし、強すぎると馬が痛がってしまいます。確かにけっこう大事です。
個人的な感覚で言うと、蹄の裏は、大きいカボチャくらいには堅いです。
なので、押しつけるぐらいには、力を入れて良いですよ。ただ、間違ってもやり過ぎないようにしましょう。
まとめ!
裏掘りについて解説しました!
最初にも言った通り、裏掘りは、手入れの中でも特に難しいものの一つです。
今回、一通りやり方を教えましたが、これを自分の技術にするのは、なかなか時間がかかるかもしれません。
ですが諦めず、チャレンジしてみて下さい!