ハミって、口の中に入れるのは知ってるけど、 どんな効果があるの?馬に悪影響はないの?
そんな疑問にお答えします!
今回は、ハミについて、まずは初心者向けに、基本的な説明をしていきたいと思います!
ハミとは?
ハミは、馬の口の中に入れる、金属の棒になります。
その歴史は古く、今から4500年以上前には、存在していたと言われてます。当時は動物の角や骨を使っていました。
馬の口には、歯槽間縁(しそうかんえん)という、歯が生えない部分が存在します。
このスペースに、ハミを入れる事で、口の開閉を邪魔せず、噛み砕かれる事も無く、操作をする事が可能になっています。
乗馬では、ハミを使う技術ってとても沢山あります。
コンタクト。ハミ受け。ハミをかける。抜く。収縮。伸展などですね。
これらは全て、手綱を引く、拳を楽にするという、「同じ行為」で行う技術になります。
という事は、それだけデリケートな操作が必要になるという事です。
強力な道具を、デリケートに扱う。だからこそ、ハミの操作は難しいんです。
ハミの効果
ハミが持つ一番の効果は、口の中という、最も敏感な場所への指示になります。
人間も、髪の毛1本でも口に入ったら気付くじゃないですか。同じように、馬も口の中は敏感なんですね。
このおかげで、指を握るなどの僅かな動きだけで、馬に指示を伝える事が出来ます。
諸説ありますが、ハミは、人間がかけた力の10倍以上の圧力を、馬の口にかけていると言われます。
つまり、10kgの力で握ったら、100kgになるという事ですね。だからこそ、馬の強力なパワーを制御する事が可能になっています。
詳しくは別の記事で解説しますが、ハミには様々な種類があり、それぞれ馬に与える影響が違います。
てこの原理を使う物、太い物、細い物、ローラーが付いているものなどですね。
中には、金属の材質を変え、甘味を感じるハミというのもあります。
これらのハミを使い分ける事で、より馬が受け入れやすい指示をする事も出来るんです。
使用上の注意
ただ、そんな強い指示が出来るハミだからこそ、扱いには注意が必要です。
雑な引っ張り方をしたり、乗り手が加速についていけず腕を上げたりすると、その全ての圧力が、10倍の力で口にかかるわけですよ。そりゃ馬も痛いです。
また、例えば最も代表的な2節のハミを付けていた場合、左右の手綱を同時に引くと、口の中で尖るような形になります。
これを痛がり、人間を拒絶する馬もいるんですね。
これを知っているのと、知らずに何気なく引っ張っているのでは、「手綱を引く」という行為に対する意識が変わります。
これまでは「手綱を引いたらブレーキ」だったのが、ハミの事を考えた途端、馬の口の負担を考えた操作になりますからね。
そのため、ハミの扱いは、馬術の知識の中でも、かなり専門的な内容です。
国内競技どころか、国際競技に出る方でも、悩む事がある分野なんです。
丁寧な指示を心がけよう
とは言っても、初心者の方は、ハミを楽に出来ません。
最初は「ハミを楽にする」と「手綱を緩くする」の違いも分かりませんし、そもそも手綱無しでは自分のバランスを保てませんからね。
ですが、それは仕方ない事です。誰でも最初はそうでした。
馬には申し訳ないですが、手綱に頼らなくても余裕を持てるようにならないと、手綱の工夫は出来ないんです。
今回の記事で知ってほしかったのは、ハミはそれだけ強い効果があるという事です。
それを知るだけで、何も考えずに引っ張るより、繊細に扱おうという意識が生まれます。
こちらの記事でも解説してますが、丁寧な指示や、これから引っ張りますよという事前予告は、馬の反抗を防ぐ大事なポイントです。
馬の反抗を防ぐためには?指示をする際の考え方!余裕を持てる馬に乗った時などは、ハミの当たりという、指の重さのセンサーを磨いてみて下さい。
まとめ!
今回は、初心者の方向けに、ハミの効果について解説しました!
今後、ハミを使った技術を覚える上で、まずはハミ自体の強力さを知ってもらいたかったからです。
改めて、ハミは、とても効果が強い道具です。
体重は約500kg、時速は70km近く出せる動物を、口1点で制御してるわけですからね。
だからこそ、扱いには注意が必要です。
すぐに感覚は分かりませんし、覚えられないかもしれませんが、その意識は忘れないで下さい。
口当たりを丁寧に出来る人は、馬から好かれます。ぜひ、丁寧な指示をしてあげて下さいね。
ご覧いただき、ありがとうございました!