馬に乗ってると、どうしても手が上がっちゃう!「手!」って言われても、上げたくて上げてるわけじゃないのに…。どうしてだろう?
そんな悩みにお答えします!
今回は、なぜ手が上がってしまうのかについて、理由と、その解決策をお話しします!
手が上がってしまう理由
結論ですが、主に3つです。
- 体と一緒に持ち上がってしまう(軽速歩の場合)
- 怖くて体が縮んでしまっている
- 加速についていけない
ただ、どれも共通して言えるのが、皆さんがなりたくてそうなっているわけではないという事です。
なぜか、気付いたら上がってるんですよね。非常に厄介な問題です。
解説していきますね。
これは、軽速歩の場合ですね。
軽速歩って、馬が走るのに合わせて、立ったり座ったりするじゃないですか。
その時に、腕が固まったまま、体にくっついているから、体と一緒に上下しちゃうんです。
これは、頭で分かれば非常に簡単に治ります。後程お話ししますね。
人間は、怖かったり、驚いたりすると、筋肉が固まってしまいます。
お化け屋敷で怖がる人ってイメージをしてみると、誰もが「小さくなって自分の体を抱えてる姿」を想像すると思います。
というのも、体を小さくするのは、人間の生き物としての防御反応の一つなんですね。こればかりは、頭じゃどうにもできないんです。
一番多いパターンがこちらです。
イメージしやすいのは、背もたれのないジェットコースターに乗っている状態ですね。
ましてや、馬はシートベルトもないし、安全バーといっても、頼りない手綱一つです。
結果、発進!と言った瞬間、体が加速に負けて置いてかれてしまうんですね。
加速に負けると、上半身は後ろに置いてかれるし、腕は上がるし、脚は流れてしまいます。
馬の上で姿勢を保てない原因のほとんどは、これと、揺れに体がついていかないの2つで良いでしょう。
具体的な対策方法
手が上がる悩みについてのアドバイスは、以下の3つです。
- 肘を柔らかく使えるようになろう
- 焦らず、ゆっくりな速さから、徐々にレベルを上げていこう
- 体でバランスをとれるようになろう
1つずつ、解説していきましょう。
軽速歩の話ですね。
僕たちが持っている手綱は、馬の口の中に入っている「ハミ」という道具に繋がっています。手綱が動けば、口の中のハミも、もちろん動きます。
さて、軽速歩中、体と一緒に拳も上下した場合、ハミはいったいどうなるでしょう?
これは、すぐ分かると思います。体の上下と合わせて、口の中でガチャガチャしますよね。
実は馬にとって、これは非常に厄介なんですね。
何かの指示?とも考えますし、走った瞬間にガチャガチャが始まるから、ブレーキとも勘違いしますし、何よりイライラを招く原因になるからです。
なので、軽速歩って、立っている時と座っている時で、拳の位置を変えないでおく必要があります。
意外と、この説明を受けてない人が多いんですね。そもそも拳を下げておく必要性を認識してない方も居ます。
でも、こうやって理由を知る事で、今後は意識することが出来ると思います。
方法ですが、立つ時は軽く肘を伸ばし、座る時は軽く肘を曲げましょう。
大事なのは、立ってる時も、座ってる時も、拳が同じ位置にあるかどうかです。馬の首の付け根から5cm上だったら、それを変えないようにしましょう。
自転車の空気入れを入れてるように、肘を柔らかく出来ると良いですね。あそこまでオーバーにやる必要はないですが、参考になると思います。
と言っても、サドルホルダーという、鞍の前についている輪っか部分を持っている時は、皆さん拳が動かないから、自然に肘を使ってるんですよ?
あとは、同じように出来るかどうかです。
少し前に、乗馬マシーンというものが流行ったのを、覚えているでしょうか?
歩いている時の馬の動きを再現していて、フィットネス効果があると言われたマシーンですね。
例えば、皆さんにあのマシーンに乗っててもらうとしましょう。
30分後に見に来るからね、じゃーね!と僕が居なくなりました。
ところが僕は、実は5分ごとに、皆さんに気づかれないようにそそくさと現れ、リモコンでマシーンの速さを一つずつ上げていってました。
果たして30分後、6段階も速さが上がったマシーンに、皆さんは乗ってられたでしょうか?
これ、ほぼ100%の方が乗ってられると思うんですよ。
なぜなら、最初と同じ体の使い方を、徐々に大きくすればいいわけですし、皆さんが動きに慣れるからです。
これは、実際の馬にも共通するんですね。
最初からレベル最大の馬に乗ったら、そりゃ体がついていきませんが、段階を踏んでいけば、体をオーバーに使う事に抵抗がなくなるんですよ。
皆さんの多くが、車に乗っていると思います。子供の方でも、運転は未経験でも、乗った事はありますよね。
車ってだいたい、馬よりも速いスピードで走ってますよね。でも、皆さん怖くないと思います。
ということは、皆さんは、速さが怖いわけではないんですね。
その速さによって、自分の体が思い通りにならない事が怖いんです。
段階、という言葉が大事です。余裕を持てる所から、徐々に出来る事を増やしていきましょう。
極端な話ですが、手綱を引っ張らない為には、腕に頼らないバランスが必要です。
足という木の根っこ、上半身という木の幹で耐えられないから、手綱という命綱を使うわけですね。
これについては、ただ「拳を下げる」という意識だけしても、直すことは不可能です。
だって、そこで手綱を引っ張らなかったら、体が飛んで行っちゃいますから。最初に言った通り、なりたくてそうなっているわけではないんです。
ではどうすれば良いのでしょう?
結論、ゆっくりのスピードから、手綱を放しても乗ってられるようにしていきましょう。
実際に放す必要はないですよ。危ないですからね。
ですが、仮に1秒くらい放しても、体だけで乗ってられるなくらいの余裕が無いと、手綱に頼らないのは難しいと思います。
加速に負けない姿勢についての解説は、別の記事で詳しく解説しています。興味があれば、ご覧ください。
加速に置いてかれる理由と、安定する方法!(姿勢編)ただ、ここで簡単にいうと、「バランス」で乗る事が大事です。
「バランスは悪いけど、しがみついてるから落ちない」では、そのうち限界が来てしまいますよ。
まとめ!
今回は、手が上がってしまうという理由と、解決方法をまとめてみました。
軽速歩については、「そう教わっていなかった」が原因の事が多いですが、それ以外は大体、手綱を引っ張らないと安心できないという理由です。
正直な話、これって皆さんだけが原因ではないんですよ
例えば「ゆっくりで練習したいんだけど、周りに合わせなきゃいけないし」とか、「一番ゆっくりと言われるスピードですら、この馬は速い」といった、自分以外が原因の場合もあります。
ですが、そんな中、「自分に原因があるんじゃないか」と、この記事を見に来てくれた皆さんは、本当に素晴らしいと思います。
正直な話、どれも「頭でわかっても、実際にやるのは難しい」という内容だと思います。その通りです。
ですが、焦る必要はありません。誰でも最初はそうでした。
一つ一つを難なくこなせるようになれば、次第に慌てずに乗れるようになってきます。一緒に頑張っていきましょう!
ご覧いただき、ありがとうございました!