側対歩という走り方の馬に乗ったよ!揺れが小さかったけど、どうして?この走り方は、何かメリットがあるの?
そんな疑問にお答えします!
見た事ある、乗った事あるという人も、いると思います。ですが、通常の斜対歩とは、何が違うのでしょうか?
今回は、側対歩の特徴について解説します!
側対歩とは?
僕たちが乗っている馬は通常、速歩をする際に、対角線になる前脚と後ろ脚を同時に踏み出しています。
左前脚と右後ろ脚、右前脚と左後ろ脚と言った具合ですね。これを、斜めに対となる脚を踏み出す歩様という意味で、斜対歩と呼んでいます。
一方で、馬の中には、少し特殊な走り方をする馬もいます。
右前脚と右後ろ脚、左前脚と左後ろ脚という、左右の前後の脚を同時に出して前に進むんですね。これを、側面の対になる脚を踏み出す歩様という意味で、側対歩と呼ぶんです。
側対歩の特徴
側対歩の馬が持つ特徴としては、揺れが少ない事が挙げられます。
斜対歩は、大きく脚を使うと、前脚と後ろ脚がぶつかってしまいます。そのため、前に踏み込みを大きくするのではなく、上方向に大きく体を使う走り方なんですね。
軍隊の行進などをイメージしていただけると、分かりやすいかと思います。
その点、側対歩は、どんなに大きく踏み込んでも、前脚と後ろ脚がぶつかる事はありません。なので、蹴り出すパワーを、前方向に流す事が出来ます。
イメージとしては、スピードスケートの選手のような体重移動です。
蹴り出した脚と反対方向にジャンプをし、着地と同時に反対方向にジャンプするという、横方向の重心移動になるんですね。だから、上下の揺れが少ないんです。
馬以外の動物を見ると、キリンや象、ラクダが、側対歩の動物みたいです。これは、長い脚がぶつからないためみたいですね。
ですが、馬については、道産子やトロッター種など、どちらかと言えば体が太く脚が短い馬が、この走りをする事が多いです。
細かく、足をチョコマカ使う分には、ちょうど良いのでしょうか?これについては、遺伝的なものとしか記載がなく、詳しくは分かりませんでした。
側対歩の活躍
側対歩ですが、その揺れの少なさから、主に長距離を移動する時に活躍をしてきました。
以前僕は、軽速歩の歴史という記事を投稿していますが、お尻への反動を避ける軽速歩が開発される前は、この歩様をする馬の方が、好まれていたようです。
意外と短い、軽速歩の成り立ちと歴史また、戦国時代の日本でも、揺れの少なさから、弓を構えてる時に上下をしないなど、一定の活躍があったようです。
現在、宮内庁で古式馬術として扱われている母衣引(ほろひき)という文化も、側対歩で行われるものです。
そう考えると、多くの馬乗りに重宝された走り方と言えます。昔の書物には、斜対歩の馬に、わざわざ側対歩を覚えさせる方法というのも書かれていたみたいです。
ただ、流鏑馬みたいな、高速疾走での戦いをイメージしていた事を考えると、速歩で戦いをしていた事実があったというのは、ちょっとお茶目に見えてしまいますけどね。
側対歩のデメリット
そんな、乗りやすいと思われる側対歩ですが、2つほどデメリットが存在します。
- 左右に乗り手が揺さぶられる
- 収縮が難しい
解説していきましょう。
先程、側対歩の動きは、スピードスケートの選手のような動きだと解説しました。
踏み出す脚の方に大きく飛び、体を横スライドさせる方法だからです。
ですが、これは言い換えれば、歩幅が大きくなるほど、または高速になればなるほど、左右に高速で揺さぶられるという事です。
そのため、高速状態の側対歩は、馬車を引く速歩競争など、人が乗ってない時に行われます。人が乗るのは難しいんですね。
なお、アイスランド種と呼ばれる馬に限り、フライングペースという、特殊な側対歩をする事が出来ます。
これは、超高速回転の側対歩にも関わらず、乗り手に揺れを伝えないという、とても特殊な走り方です。一度は経験してみたいですね。
速歩の上級技術である、ピアッフェやパッサージュは、引き出した馬のパワーを、前ではなく上に出す事で行う技術です。
ですが、重心を横にスライドさせる側対歩では、まっすぐ上にパワーを出す事が出来ません。そのため、馬場の上級技術には、側対歩は不向きなんです。
馬場を自由に走る程度の場合、側対歩にデメリットはありません。揺れが少なく、歩度も伸びやすい側対歩は、むしろ騎乗者に好まれます。
ですが、高度な馬術を求める場合、側対歩には不向きな事もあるんですよ。
まとめ!
今回は、側対歩について、僕なりに調べた事をまとめてみました!
僕もこうして調べるまでは。、「なんか違うなー」くらいにしか思ってなかったんですけど、まとめてみると、けっこう奥が深かったです。
改めて、気楽に乗る分には、とても優秀な乗り方です。もし身近にいたら、のびのびと乗馬を楽しむパートナーとして、仲良くしてあげて下さいね。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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