横木通過っていうのを習ったよ。ただ木を跨ぐだけだったけど、これってどんな意味があるの?
そんな疑問にお答えします!
この横木通過、初心者から、将来的には障害の練習にまで使う、結構大事な練習法なんです。
今回は、横木通過の効果と、まずは初心者向けに、基本的な考え方を、解説したいと思います!
なお、馬場や障害を練習する際の、横木の活用法については、別に記事を作りたいと思います。少々お待ちください。
横木通過とは?
改めて、横木通過とは、横になっている木を跨ぐ事です。
本当に、跨ぐだけなんですよ。高さにしたら、20cmくらいですからね。
早くから始める施設では、常歩でゆったり跨いだり、速歩の練習中から始めたりします。
ですが、実はこの横木通過、全国乗馬倶楽部振興協会の馬場3級ライセンスにも出てくる項目になってます。(三連続横木通過)
また、先程も言った通り、障害の練習にも非常に役に立ちます。
というのも、障害には踏み切る距離が関係してくるんですね。障害から遠すぎても届かないし、近すぎても、角度が急になって障害にぶつかっちゃうからです。
なので、まずは、地面に置いた横木で、正しい踏切位置で飛べるよう練習をするんです。
改めて、初心者、馬場、障害の全てに有効な練習法なんです。
横木通過の効果
さて、横木通過って、どうしてやるんでしょうか?
効果は大きく3つになります。
- 人が余裕を持てているかの確認
- 馬の形を決められているかの確認
- 馬の完歩を理解できてるかの確認
解説していきますね。
初心者に横木通過をやらせるのは、主にこれが理由です。
常歩や、ゆっくりの速歩で跨ぐ分には、多くの馬はけっこう余裕なんですね。なので、同じように人が余裕を持てるかを確認しています。
初心者の方は、これくらいの木を跨ぐだけでも、大丈夫かな?と思うものです。
跨ぐ瞬間に思い切り飛んじゃったらどうしよう、脚を引っ掛けたら転ばないかな?など、馬の制御が出来ないからこそ、不安になりますよね。
ただ、乗り手という運転手がパニックになっていれば、馬も必要以上に怖くなるものです。
そこで、この横木通過で、人の余裕を確認しているんですね。
基本的な馬の姿勢を保っていれば大きなトラブルは起こりません。何かあるのは、だいたい頭を下げ、擦り脚みたいな走り方をしてる時です。
頭を起こして、今だけでも脚を上げて走ってもらえる?と合図を送っておきましょう。
ちなみに、この時に皆さんが感じた不安を、馬も感じてます。そのため、馬によっては10cmのバーも跨ごうとしません。
自分が出来るようになったからって、何情けない事言ってるんだと、出来ない馬を責めないようにしましょう。
馬場の練習で横木通過をやる理由がこれになります。
速歩を継続したまま、連続で並んだ横木を跨ごうとすると、馬はその分大きく一歩を踏み出す必要があります。
例えば、間が30cmなら30cmの歩幅で走る必要がありますし、50cmなら50cmの歩幅で走らなければいけません。
なので、目指す歩幅の間隔で横木を並べておく事によって、それくらい馬を動かせているか、抑えられているかの確認が出来ます。
また、足下に横木がある事で、馬も引っかからないように、いつもより脚を上げて走るようになります。
これが、脚を上げた元気の良い速歩や、足踏みをするような速歩の練習に繋がるわけです。
障害での活用法がこちらになります。
完歩とは、馬の脚の回転の事ですね。常歩なら4拍子、速歩なら2拍子、駈歩なら3拍子で、1完歩です。
特に連続した障害では、一完歩ごとに馬というバネを伸ばして、溜めてを繰り返す必要があります。
伸ばしっぱなしではパワーが溜まりませんし、溜めっぱなしではジャンプできませんからね。
なので、連続した横木を飛ぶ事で、事故のリスクを減らしつつ、馬の一歩一歩の回転を確かめます。
他にも、練習段階で、正しい踏切位置で飛べてるかの確認をするために、横木を飛ぶ事がありますよ。
行う際のポイント
初心者が行う横木通過であれば、特別気にしないといけない事はありません。
唯一気になるとしたら、馬の減速です。
先ほど挙げたような、大丈夫かな…?という不安から。あるいは、足を上げる事への抵抗から。横木を通過する時に、フッと減速する馬がいるんですね。
そのためにも、横木通過をする際は、人ではなく馬の形に集中する必要があります。
初心者の横木通過も、馬場の横木通過も、馬の形が整っていれば、問題なく出来ます。それは、日頃からでも意識できるものです。
越える時になって慌てるのではなく、事前に準備を終えた上で、横木に向かいましょう。
なお、障害の横木通過では、2点ほどポイントがあります。前方騎座(ツーポイント)と、馬の完歩ですね。
詳しくは別の記事で解説をしますが、どちらもそれまでに習った事のない考え方になると思います。
ですが、その2点に頭が持っていかれて、馬の形に集中出来なかったら意味がありません。
落ち着いて、馬の形に集中しましょう。あくまでも、跨ぐのは馬ですよ。
まとめ!
今回は、横木通過の説明と、効果や注意点について解説をしました。
跨ぐ事に抵抗が無い馬であれば、横木通過は、乗り手の余裕と、馬に目が行き届いてるかの確認です。要は、乗り手のレベルの確認ですね。
例えば、ただ速歩をするだけで慌ててしまう人が、横木通過をしても、不安を増やすだけです。
自分の騎乗に余裕を持てるようになってから行いましょう。そうしないと、馬のリードは出来ません。
ただ、いつもと違う事があると、不安になるのは人も馬も一緒です。
小さな一歩から、成功体験を積み重ねていって下さいね。
ご覧いただき、ありがとうございました!