他の人の指示は聞くのに、自分の場合は聞いてもらえない…。同じようにやってるはずなんだけどな。なめられてるのかな…。
そんな悩みにお答えします!
乗馬をやってると、誰しも一度は、「馬になめられてるなー」って感じる瞬間があります。
今回は、「馬が人をなめる」というテーマについて、個人的に思う事をお話ししていきます。
確かに、馬は人を見る
結論、確かに馬は、人を見て反応を変えます。
もちろん、言う事を聞いてもらえる方は、失礼ですが、この問題で悩んでる方より技術は上でしょう。もしかしたら、しっかりと乗れているから、扶助が出来ているから指示が伝わるのかもしれません。
ですが中には、レッスン中に教える方が近づいてきただけで、急に態度を変えて走り出す馬もいます。
教える方は、馬の印象を下げない為にも、皆さんに傷ついてもらわない為にも、直接的には口にしませんが、言われなくても皆さんは肌身で感じると思うんですね。その通り、馬は人を見ています。
でも、悪気はないんですよ。むしろ、乗せる事を拒否しないだけ、馬は良い動物です。他の動物は、嫌な人間からは逃げだしたり、威嚇をしたりするわけですからね。
また、言う事を聞いてもらえない人には、共通点があるんですね。その点さえ改善できれば、馬には乗れるようになります。
生理的に無理といった理由で、人を拒否する馬は、ほとんどいないと思います。
指示を聞いてもらえない人の共通点
そうなると、気になるのはその「共通点」ですよね。いったい何なんでしょう?
それは、一言で言うとしたら、「馬に強気に出れない」です。
脚が弱いのも、手綱を短く出来ないのも、首を起こせないのも、判断が慎重なのも、鞭が使えないのも、全てこれが原因です。
馬がやっている事以上に、自分がやってほしい事を求められないから、馬がやりたい事を優先されちゃうんですね。
先日、僕はこちらの記事で、馬が勝手な事をする理由は、「その方が良いと思ってるから」と言いました。
隅角通過や、勝手な行動の対策!乗馬に大切な「予防」とは?馬は、自分が正しいと思った気持ちに嘘をつかず、実行する動物です。
という事は、僕たちが馬に言う事を聞いてもらうには、馬が考えた正解以上に、「こっちが正しい」という意見をぶつける必要があるんですね。馬に強気になれない人は、それが出来ないんです。
厄介なのは、そうなってしまう原因も様々だという事です。
馬が怖いから。馬が可哀そうだから。そうまでして馬に乗りたくないから。など、色々な気持ちの結果が、この「強気になれない」として現れます。
しっかり合図!って言っても、怖い事には力を出せませんし、馬は痛くないから!と言っても、「叩く」という行為自体に罪悪感があれば出来ないんですね。
なので、馬に強気になれないのは、無理には解決できません。
怖いが原因なら、優しい馬から大丈夫だったという経験を積んでいけば良くなりはします。ですが、馬にそこまでしたくないだったら、それ以上は僕たちからは言えません。
精神的な問題だからこそ、この問題は長期化するんです。
覚えておきたい考え方
ただ、この悩みを持つ方に、大事にしてもらいたい事があります。
それは、「馬の主張を尊重した上で、それでも自分の意見は無くさない」という事です。
自分の主張をして、馬に「うるさい!」って反抗されたらどうしよう。馬の好きなようにさせてあげたい。その気持ちは、とてもよく分かります。
ですが、指示を0にしたらいけないんですね。0.1でも良いので、馬の頭の片隅に残しておく必要があります。
というのも、人が頭から消えた馬は、人を考慮しなくなるんですね。
何かにショックを受けたりした時、それでも上に人が乗ってるしなーと一瞬判断が生まれる馬と、一切人間を気にしなかった馬では、跳び跳ね方やダッシュの加速が違うんです。
最低限、人が乗っているという事だけは、騎乗中の馬の頭から消しちゃいけないんです。
そのためにも、実際は馬のやりたいようになってるかもしれませんが、自分の主張をやめてはいけません。
「あなたの言いたい事は分かるけど、でも○○はしてほしい」と、訴えは続けましょう。
この、分かるんだけど~という考え方は、主張が強い馬には必ず使う考え方です。競走馬の調教などにも使われます。
力づくでねじ伏せろと言ってるわけではありません。無視はしないでほしいなー程度で良いんです。
次第に、無視をしきれなくなった馬が、何かしらのアクションに出ます。そこが、流れを変えるチャンスです。
強く言えなくても、辛抱強く、自分の意見を訴え続けましょう。それが、馬と付き合う上で、大事になっていきますよ。
まとめ!
今回は、人を見る馬について、その原因と、ちょっとしたアドバイスをさせていただきました。
指示を聞いてもらえない人は、馬に強気になれないのが原因です。原因は様々ですが、乗ってる時だけは、馬の気持ちを尊重しつつもしっかり指示をしましょう。という事ですね。
個人的に一つ、思ってる事があるんですよ。それは、馬に言う事を聞いてもらえないと悩む方の多くが、とても優しい方だという事です。
これ、本当の事なんですよ。だって、馬が指示と違う事をしても、怒らないんですよね。
普通だったら、私がした指示はそれじゃない!と、怒ったって良いものじゃないですか。
なのに、この悩みを持つ方って、そう指示をしなかった自分が悪い。馬はきっと、こうしたいんだろうね。馬も痛いだろうしね。って言うんです。
僕、こういう人は大好きです。もし、仕事で僕の上司にいたら、本当にありがたいです。
でも、人付き合いではとても嬉しいこの優しさって、馬との付き合い方では、違った方向に働いてしまうんです。
馬も動物なので、良い意味で遠慮がありません。指示を伝えないのは、私は何も意見しませんと言っているのと一緒になってしまうんです。
改めて、強引にじゃなくていいので、「私、この指示はしてほしいんだけどなー」というアピールだけは、やるようにしましょう。意見を消してはいけません。
馬が、その主張に耳を傾けてくれるようになれば、少しずつですが、関係は良くなっていくはずです。一緒に頑張っていきましょう!
ご覧いただき、ありがとうございました!
こちらの記事も、参考になれば幸いです。
乗馬や競馬は虐待なのか
まさしく今の悩みにピッタリで、目から鱗でした!
落ち込んでたので、またすっきりと頑張れそうです!
自分が行っている指示が正しいと確信しにくいのも、
強気に出れない理由の一つです。
正しいか、正しくないかではなく、
お願いは出来るはず…!頑張ってください!