馬を誘導する時って、開き手綱でも曲がるけど、手綱を引いても曲がるよね。どう違うのかな?特に気にしなくて良い?
そんな疑問にお答えします!
今回は、手綱を「開く」と「引く」の違いについて解説しますね!
なお、実際には、「引き手綱」という用語はありません。説明しやすいので、そう呼んでいるだけです。ご理解ください。
開き手綱と、引き手綱の違い
確かに、手綱を「後ろ」に引いても、「外」に開いても、引っ張った腕の方に馬の頭が向くのは、変わりないですよね。
ですが、この2つには、ちゃんと違いがあるんです。
違いは、大きく分けて2つです。
- ハミの形
- 手綱の位置
それぞれ解説しますね。
実は、開き手綱と引き手綱では、口の中でハミの形が変わります。
開き手綱をすると、両側からハミが引っ張られて広がるので、まっすぐ一文字に。
引き手綱をすると、中央でハミが折れ、V字に折れ曲がります。
僕たち乗り手からすると、「開く」も「引く」も変わりないように思えます。
ですが、このように、馬からしたら、けっこう違う指示なんです。
ハミ受けやコンタクトなど、繊細なハミの指示をする際は、この違いが大きく出てきます。
例えば、真っ直ぐ引っ張るだけじゃハミ受けが出来ないのは、ハミがV字に折れてしまって、下あごや舌に真っ直ぐ乗らないからです。
ただ、拳をどう動かして、口の中のハミがどうなれば、求めた指示になるのかを知るのは、かなり高度なレッスンになってからです。
まずは、それ以外の部分を覚えていって下さいね。
開き手綱をした場合、乗り手の拳は、馬体から外側に離れていきます。それと合わせて、握ってる手綱も、馬体から離れますよね。
一方で、引き手綱の場合、拳や肘は後ろに引くだけなので、手綱は馬体から離れません。これが、開き手綱と引き手綱の、手綱の位置の違いです。
以前、僕はこちらの記事で、馬が感じる「壁」について書きました。馬というエネルギーの塊に対して、周りの壁を開け閉めする事で、パワーの方向を決めるという考え方です。
乗馬での、「壁」という考え方を解説!その2:騎乗時の応用これを参考にすると、開き手綱は扉を開け、「開いたからこっちに行けるよ」というアプローチです。
引き手綱はというと、手綱と言う扉を閉じたまま、「それでも曲がってね」というアプローチですね。
例えば隅角通過の場合、ただ曲がるだけでなく、角の近くを曲がらないといけません。ですが、ここで開き手綱をしてしまった場合、内側のパワーの扉を開ける事になります。
そうすると、馬は体ごと内側に入り、ショートカットが発生します。なので隅角通過は、内方姿勢を作るのと合わせて、手綱は開かないんですね。
このように、馬の体とパワーをどう流したいかで、引き手綱と開き手綱は変わります。
使い分ける事が出来れば、より明確な指示を、馬に伝える事が出来ます。
ただ、馬にどんな姿勢を求めたいかも、「壁」の意識も、ある程度騎乗を重ねないとつかめない感覚です。
最初から教えられても意味が理解できないのが、乗馬の難しい所です。
まとめ!
今回は、開き手綱と引き手綱の違いについてお話ししました!
馬の体とパワーをどう流したいかで、やり方を変えるというまとめですね。
正直、ここまで気にしなくても、馬は動くと言えば動きます。
ただ、より明確な指示をしたいなら、知っておきたい事ですね。
馬に「なんでその指示なの?」と言われた時に、こうだからだよと、説明できるのが、乗り手の理想です。
そのためには、馬への気づきや理解が必要になります。馬と向き合う時間を大事にしてくださいね。
ご覧いただき、ありがとうございました!
なるほど!
隅角通過とか内方姿勢とかのとき馬体全体の動きとかバランスとかは良く聞くのですが、引き手綱によるハミについては考えたことなかったので、すごくわかりやすくてイメージできました。
実際にハミの形までイメージするのはかなり高度な話になりますが、知識として持っておいて損はないです!
コメントいただき、ありがとうございます!