乗馬に行くにも、仕事もあるしお金もかかる…。家で出来る、乗馬に役立つトレーニングってないのかな?
そんな疑問にお答えします!
すごい嬉しい話ですよね。もっと上手になりたいって思ってくれてるって事ですし、何より乗馬施設以外の場所でも馬の事を考えてくれているのが素晴らしいです。
今回は、家で出来る、頭のトレーニングと、体のトレーニングについて解説します!
一番効果があるトレーニング:詰将棋
さて、早速ですが、一番効果的なトレーニングから解説しましょう。
それは、タイトルにもある通り、詰将棋になります。
詰将棋といっても、実際に将棋を指すわけではありませんよ。
要は、「馬の行動に対して、どう対応すれば良いかという引き出しを、頭の中で考えて増やしていくという事です。
例えば、暴走した馬を止めたいとしましょう。
この時、乗馬を始めたばかりの初心者の方は、「引っ張る」か、「声をかける」の2択しか選択肢がありません。
ですが、僕ならどうする?と考えた時、暴走した馬を止める手段はこれだけ出てきます。
- 手綱を引く
- 声をかける
- 骨格ごと馬を止める
- 輪乗りを続ける
- 背中を軽くする
- 下方向に馬のパワーを持っていく
- 随伴を落とす、オーバーにする
- 滑車手綱
馬の一手に対する手段が多くなれば、1つが間違っても、他の手段を試せます。そうすれば、正解に辿り着く可能性が増えますし、余裕が持てるようになります。
また、詰将棋には、選択肢を増やすだけでなく、先を読む力も求められます。
例えば初心者の方は、駈歩を出す時は「内方脚と外方脚をずらして合図」→「発進」しか出てきません。
ですが、ある程度以上、馬の動きを余裕を持って見れるようになると、ここまで細分化できます。
- 外方脚と外方手綱を添える
- 外方の腰に体重を乗せる
- 引き付けるように内方姿勢→出来た
- ハミをかける→応じた
- 推進をさせつつ、馬を溜める→応じた
- 人間の体重を後ろに乗せる→止まらない
- 内方脚とハミかけで、前脚を起こす
- 解放、駈歩発進
これくらいチェックポイントがあれば、どこでエラーが起きたのかが分かりやすいですよね。
これは、僕がインストラクターという仕事をしていたからこそ、自然と考えていた事です。
インストラクターをしていると、一つ一つのアドバイスに「なんで?」と聞かれるんですよね。
そんな時に、「教科書に乗ってたから…」しか言えなかったら、インストラクターをしている意味がないじゃないですか。
あなたの言ってる事は、全て教科書に書いてあるから、お金を払って学ぶ事はありませんという話になっちゃいます。
だからこそ、僕は一つ一つの指示に、「どうしてここでこの指示をするんだろう。この指示をしたらどうなるから、次はどうすれば良いだろう?」と考えてきました。
結果、こうして馬の話が出来るくらいには、馬を扱えるようにはなりました。
この話をすると、それは乗れるから言える事だろ、と思うんですけど、そんな事はありません。
頭の中で想像するだけだったら、落馬をする事はありませんからね。正解じゃなくても良いので、自分なりに「どうする?」と考える事に効果があります。
ボクシングのシャドーと同じです。あれも、頭の中で、パンチを打ったらカウンターが来るからそれを避けて…とイメージをするわけじゃないですか。
相手がいる競技は、必ず相手の動きを想定するトレーニングは出てきます。乗馬の場合は、馬という相手を想定する必要があるんです。
馬はロボットじゃありません。「こんにちは」と声をかけても、必ず「良い天気ですね」と返ってくるわけではないんです。
教科書のような、求めた返事が返ってくる事を前提とした知識の入れ方だと、必ずどこかでエラーが出ます。
あらかじめ、ここでエラーが起きたらどうするという引き出しは、持っていて損はありません。人間ではなく、馬に注目して、イメージをしてみて下さい。
そこで、「この対応をしたいのに分からない…」となったら、その部分を練習していきましょう。
その他の、家で出来るトレーニング
ではここからは、対「馬」ではなく、人間のトレーニングに移ります。今回は4種類ですね。
- バランスボール
- 出っ張りだけに足を乗せる
- 筋力、体幹トレーニング
- ストレッチ
解説していきましょう。
まず、有名なのは、バランスボールですよね。
ポイントは、足をついてなくても崩れない位置を見つける事です。
要は、自分のお尻の中心、バランスの中心はどこかという事ですね。それが分かれば、鞍の上でも自分の中心が分かるようになります。
レベルが上がれば、膝立ちでボールの上に乗ってバランスをとる事で、腹筋背筋を鍛える事が出来ます。
間違っても落ちないで下さいね…!
要は、足の指だけに、自分の体重を乗せる訓練です。
オススメはビールのかごをひっくり返して左右のふちに乗るか、ジェンガみたいな横長のブロックを鐙の位置に置いて乗るかです。
階段でも良いんですけど、バランスを崩して後ろにひっくり返ったら怖いので、オススメはしません。
足の指はもちろん、ふくらはぎの筋肉も鍛えられます。僕はこの状態で、立つ座るをしてた事があります。
また、応用編ですが、横向きに置いたストレッチのポールに乗れば、前後のバランスを鍛える事が可能です。これは、競馬のジョッキーさんもやっている内容です。
主に、軽速歩で立つ事に悩んでいたり、障害、ツーポイントに悩んでる方向けですが、興味があったら試してみて下さい。
馬に乗るための体を作ってと言われたら、僕だったらまずこれから始めます。
柔軟体操をしたり、重い物を持ち続けたり、辛い体勢をキープしたりですね。
ポイントは、筋肉の持続力を鍛える事です。筋力や瞬発力ではありません。
この動きをしたいから、この筋肉を使いたいからと、馬上でどう動きたいというのを明確にして行いましょう。
希望があれば、別の記事で解説したいと思いますが、僕は我流で行ってしまっています。
自重トレーニングというものですね。興味があれば、調べてみて下さい。
筋力トレーニングばかりに目が行きがちですが、一番重要なのは、ストレッチです。
というのも、乗馬で特に必要なのは、しなやかさと、関節の可動域だからです。
どんなに筋肉があっても、固まっていては効果を発揮しませんし、怪我の元です。たかがストレッチ、されどストレッチですよ。
まとめ!
今回は、自宅で乗馬のトレーニングをするとしたら?というお題について、考えてみました。
僕が一番重要だと思っているのは、馬を想定する事です。頭のトレーニングでも、筋力トレーニングでも、それに尽きます。
例えばその気になれば、布団を叩くのは鞭の使い方の練習は出来ますし、重い物を運ぶのは、下がった頭の起こし方にも繋がります。
日常これ即ち武道ではないですが、いかに頭に「馬」を置けるかです。
意外と難しくないですよ?皆さんは絶対、乗馬を始める前より、馬に対するセンサーは上がっているはずです。
後は、「乗馬はクラブや部活で行うもの」と割り切らないようになるだけです。
僕が投稿を1日1本にしているのもそのためですからね。僕自身が、1日1個、馬知識を深めたいと思っていたからです。
改めて、上手くなりたい、馬を知りたいと考える気持ちは素晴らしいです!皆さん、一緒に頑張っていきましょう!
ご覧いただき、ありがとうございました!