指示もしてないのに、馬が勝手に後ろに下がる…!脚を使っても、手綱を引いてもバックしていくよ。どうすれば良いの?
そんな疑問にお答えします!
今回は、馬が下がっていく原因と、その解決方法について、いくつか紹介したいと思います!
なお、今回の内容は、こちらの記事も見ていただくと、更に理解が深まります。合わせて、興味があればご覧ください。
勝手に後退する理由は?馬の力の抜き方と、制限速度の作り方
馬が後退していく理由
まず、馬が後退していく理由ですが、ご覧の通りになってます。
- 後ろの馬が近い
- 前に行けない状態になっている
- 馬のわがまま
更に、「馬が前にいけない」という状態は2種類あると、先程紹介した記事でお話ししました。
1つは、その記事で解説した、「人間が求める以上に、馬が前に進みたがっている」という状態。
もう1つは、「気づかないうちに、人間が馬に負担をかけている」という状態です。
今回紹介するのは、右下の「気づかないうちに、人間が馬に負担をかけている」時の対処法になります。
後ろの馬が近いのは、皆さんではどうにも出来ません。離れていただくか、自分から距離をとるかです。
また、馬のワガママは、今回の内容にプラスして、馬のワガママ以上に強気の指示をしなきゃいけません。
少々難しいと思うので、別の動画でお話ししますね。
気付かないうちにかけている負担
さて、気付かないうちにかけている負担とは、いったいどんなものがあるのでしょうか?
ざっと挙げてみると、こんな感じです。
- 手綱が強い
- 緊張で体が硬い
- 脚で挟みすぎ
- バランスが前後に偏ってる
- 胸を張りすぎ
馬が後ろに下がったら、これらのプレッシャーを一度0にする事をオススメします。
一応、簡単に解説していきますね。
乗馬のレッスン中には、よく「手綱を張る!」と言われますが、張りすぎは馬を緊張させます。
理由は、ブレーキかな?と誤解させたり、敏感な口に常に力がかかったりするからです。後ろ向きに力がかかってるのに、前に行きたいとは思いません。
乗ってるだけで緊張してる。あるいは、真っ直ぐな姿勢を意識しすぎて体が堅くなる。これらも負担の原因です。
馬が体を3使って前進してるのに、自分が硬すぎて1しか随伴をしなかったら、もちろん動きにくいですよね。
落ちないようにと思って。あるいは圧迫合図と思って馬体を挟んだ結果、馬が動きにくくなるパターンです。
脚は、馬のお腹の方に使えば前進指示になりますが、前肩付近や背中に圧力をかけた場合、半減却という減速指示になります。それを、無意識でやってる状態です。
人間が前後に傾きすぎてるのも、馬の負担になります。
前傾しすぎは、人間の体重が乗るせいで前脚が上がらなくなるから。後傾しすぎは、馬のバランスも後ろに移動し、前に進めなくなるからです。
意外かもしれませんが、胸の張りすぎも馬の負担になります。
胸を前に出すという事は、肩が後ろに下がります。そうすると腕が硬くなり、拳の随伴が使えなくなるんです。
胸を張りながら脱力するって、意外と出来ないものです。姿勢を意識するのは良い事ですが、やりすぎないように注意しましょう。
加減を間違えると、正しい姿勢もプレッシャーになる
でも、これらの負担って、意外と「良い事」と思ってやってる事が多いんですよ。
手綱は張らなきゃいけない。馬体は挟まないといけない。胸は張らないといけない。指導員からも、そう言われますよね。
だからこそ初心者の方は、自分がかけている負担に、なかなか気づきません。
正しい事をやってるはずなのに、どうして馬はごねるの?と、頭を悩ませてしまいます。
結局、指示についてもやりすぎは良くないんです。
悪い事をするつもりはないのに、「悪い事するなよー」と繰り返し言われ続けてたら、そのうち嫌気がさすでしょう。それと同じです。
警戒をしなくても良い馬に乗っているのなら、余計な警戒は馬を窮屈にさせるだけなんです。
馬を楽にしてあげるためには
とはいえ、ここまでの話を聞いても、「じゃあ楽に乗ろう」と思えない方もいるでしょう。
何かあった時のために予防や警戒をする。それは間違いではありません。むしろ正解です。
では、何かあった時の準備をしながらも、それでも馬を楽にしてあげるにはどうすれば良いのでしょう?
僕が思うに、対策は以下の3つです。
- 緊張する馬に乗らない
- 自分自身の騎乗技術を上げる
- 馬のニュートラル状態を見つける
解説していきますね。
例えば、観光牧場で常歩の馬に乗る場合、緊張して体が堅くなる事はないと思います。
多くの場合、無意識で力が入ったり、堅くなったりするのは、馬の状態やレッスンレベルに対して緊張するからなんです。
緊張は1の力みで良い所を、無意識に2とか3とかにしてしまいます。
もし、自分が馬だったとしたら、口に入ってるハミの感覚で、「この人、力んでるなー」というのは分かると思いますよ。
レベルの高い馬に乗れば、緊張してしまうのは普通です。なので、自分が制御できないほど緊張してしまう馬には乗らないようにしましょう。
必要以上に緊張してしまうのは、何かあった時に自分じゃ制御できないという恐怖が原因である事が一番多いです。そのため、何かあった時に素早く対応できるようになろうという話ですね。
それが難しいんじゃないかという話ですが、一応これも選択肢の一つなので、お伝えしておきます。
こちらは、少々難しい内容ですね。
言い換えると、「馬が何も悪い事をしてない状態」に気付けるようになろうという事です。
乗馬施設でも、競技レベルの会員さんやスタッフが、手綱をブラブラにして乗ってるのを見かけると思います。あれが出来るのは、「ブラブラにしていても、この子は悪い事をしないだろう」と思えてるからです。
※油断はしてほしくないですが。
指示で人間に注目する早さや、馬自体が挙動不審じゃないかなど、馬の状態に目を向ける余裕を持てるようになりましょう。
なお、この「ニュートラル状態」については、別の記事で解説したいと思います。ご了承ください。
まとめ!
今回は、人間からの負荷が強すぎて、馬が後ろに下がってしまう場合の対策についてお話ししました!
何も指示してないつもりでも、意外とちょっとした力みが緊張を招いてる場合がありますよ。という話ですね。
「負荷」と言っても、やりたくてやってるわけではない場合が多いです。
緊張してしまう原因を知り、落ち着いて対策を打ちましょう。
馬のワガママだった場合は別ですが、基本的に後退は、騎乗者が前のエネルギーをさえぎってるから起きる事です。
部班で後退されるのは本当に怖い事ですが、そこで焦らず、自分が馬の緊張を招いてないか確かめてみて下さいね。
ご覧いただき、ありがとうございました!