輪乗りと巻き乗りっていうのをするようになったよ!でも、みんな苦労してるみたい。どうするのが正解なの?
そんな悩みにお答えします!
誘導の1つとして出てくるのが、輪乗り、巻き乗りになります。地面に円を描くように、馬に歩いてもらう事ですね。
ところが、たくさんのお悩みが出てくる項目でもあるんですよね。キレイな円が書けない、馬が中に入ってくる、曲がってくれないなど、様々なトラブルが起こる内容でもあります。
今回は、その基礎編ということで、輪乗り、巻き乗り自体の説明と、標準的なやり方を解説していきます!
なお、駈歩の巻き乗りについては、ほんの少しだけ、注意するポイントが増えます。そちらは別に解説するので、この記事は、主に常歩と速歩の内容を扱っているものだとご理解ください。
輪乗り、巻き乗りとは?
輪乗り、巻き乗りとは、馬に乗って円を描く事です。
正式な決まりだと、直径10m以上の円が輪乗り、直径10m以下の円が巻き乗りです。
ただ、普通の人は、馬場を見て一瞬で「10mだ」なんて分かりませんよね。
とりあえず最初は、蹄跡から1回だけ回るのが「巻き乗り」。次の号令がかかるまで回り続けるのを、「輪乗り」と覚えて下さい。
内方姿勢の確認、教える人の周りでの周回、馬の減速など、乗馬を習う上で、色々な場面で出てくる内容になります。ぜひ、スムーズにこなせるようになっておきましょう。
輪乗り、巻き乗りのやり方
輪乗りも巻き乗りも、良い馬は、とても簡単にこなします。鼻先が向いた方向に曲がってくれて、他に何も気にする必要はありません。
ですが、特に円が小さくなればなるほど、馬は体を曲げて、窮屈な姿勢になる必要があります。なので、乗っている人間の助けが必要になるんですね。
輪乗り、巻き乗りのやり方は、以下の通りです。
- ある程度、馬を歩かせる
- 内側の手綱を軽く開き、馬に内側に踏み込んでもらう
- 内方姿勢を作り、内側の手綱を固定する
- 外側の手綱と脚扶助で、円の大きさをコントロール
解説していきますね。
馬は体を傾けてカーブをする関係上、あまりにもゆっくり歩いていると、傾いた体重に釣られて、脚が横に流れてしまいます。
なので、しっかり前に踏み込んでもらうため、ある程度はしっかりと歩いてもらう必要が出てきます。のんびりではなく、堂々と体を使えるくらいには歩かせておきましょう。
曲がり始めるポイントまで来たら、内側の手綱を開き、馬に横に踏み出してもらってください。
ただ、馬は、どれくらい曲がれば良いのかは分かっていません。曲がりすぎる時もあれば、想像以上に曲がってくれない時もあります。
なので、馬の行動次第で対応が変わる場合があります。ここが、角が目の前にあり、馬の行動が制限される隅角通過と違う点ですね。
今回は、素直に曲がる馬と仮定して、軽い開き手綱の指示にしています。違う反応をした馬については、その2、その3で解説をしますね。
鼻先から曲がり始めた馬が、それ以上内側に傾いていかないよう、内方姿勢を作って胴体は起こしておきましょう。
この時、内側の拳は、手綱の張りを残した状態で、軽く首に添えておいて下さい。
手綱を開きっぱなしにしたり、ハミが緩んだりした場合は、余計に内側に傾いていきますし、押し手綱を強くやりすぎると外側に膨れていきます。その場に置いておく程度で大丈夫です。
ただ、馬が自分からふらつくようなら、内方脚や外側の手綱などで対応してくださいね。
内方姿勢についての解説はこちら!
内方姿勢の意味や目的は?やり方と、注意点を解説!基本的にはこれで終了ですが、円の大きさを変えたい場合は、固定している内側の手綱以外で指示をしましょう。外側の手綱と、内方脚、外方脚ですね。
というのも、円を広げたいからって、馬の顔が外を向いてしまったら、内方姿勢が崩れちゃうじゃないですか。
なので、顔の向きを固定している内側の手綱は、そのままにしておく必要があります。
時々押し手綱として作用させる分には構いませんが、基本的には、他の場所で円をコントロールしておきましょう。
輪乗り、巻き乗りをする際のポイント
輪乗り、巻き乗りをする場合、いくつか注意する事があります。
- 途中でペースを落とさない
- 特に後半は、しっかりコントロールする
- 自分から傾きに行かない
解説していきますね。
やり方の最初で言ったように、馬は歩くペースが落ちると、どんどん内に傾く力が強くなります。
また、まっすぐ歩いてる時より体を曲げて窮屈なため、特に輪乗りと巻き乗りをしてる時は、馬は減速しやすいんですよ。
僕たちって、誘導をする時、馬に曲がってもらう事だけに必死になっちゃって、馬のスピードにまで意識が向かないんですよね。
結果、途中で速歩が常歩に落ちたり、傾く力が強くなって一気に小回りしちゃいます。
言ってる事は難しいですが、誘導だけに捉われず、馬の速度にも目を向けてあげましょう。
基本的に、隅角通過が出来れば、輪乗りと巻き乗りは出来ると思います。やることは、隅角通過の90度カーブを4回やって、360度の縁にしたようなものですからね。
ところが、馬は賢いので、半分円を書いた段階で、「蹄跡に戻ればいいんでしょ」と、自分で判断するんですね。結果的に、半分を超えたあたりで一気に急旋回し、キレイな円をかけない方が多くいます。
改めて、やり方は、隅角通過と同じです。馬が傾く判断をする前に体を支えてあげて、最後まで同じ姿勢で居続けてもらいましょう。
馬が傾き始めてから、慌ててお越しに行っても体重は支えられません。回転を始める段階で、気にしておいてください。
隅角通過についての記事はこちら!
なぜ内に入られる?隅角通過のやり方と、注意点を解説!意外と多いのがこれですね。回転に合わせて、乗り手から傾きにいってしまうパターンです。
内側に曲がるからと体を傾けたり、押し手綱をするからと体が外に行ったりする人って、なんだかんだけっこう多いです。
間違ってはいないんですけど、初心者の段階で、体重を使ったコントロールをするのは、少々早いと思います。
自分がどれくらい傾いたら、馬にどれくらい負担がかかるのかが分かるようになってから、体重操作は使える技術です。
最初は、力まなくても良いので、真っ直ぐをキープしておきましょう。馬も、乗り手が動き回らなければ、真っ直ぐのバランスを考慮して曲がってくれるはずです。
左右のバランス確認については、こちらの記事をご覧ください!
乗馬における、重心とバランスの確認方法(横方向編)まとめ!
今回は、輪乗り、巻き乗りについて、まずは基本的なやり方を解説しました!
直線だけでなく、回転も出来るようになる事で、初めて馬場の中を自由に乗れるようになります。頑張って覚えていきましょう。
また、最初にも言いましたが、輪乗り、巻き乗りは、思っていたのと違う動きをするトラブルが多く発生する項目ですそれについては、別の記事でお話ししていきます。
ぜひ、使いこなせるようになってください。
ご覧いただき、ありがとうございました!
その2はこちら!
輪乗り、巻き乗りを覚えよう!その2.内側に傾く馬の対処法