鞍を買うように薦められるし、長く続けるなら持った方が良いんだよね。けど、悩むなぁ…。今の自分に必要なの?いつ買うべき?どうやって選べば良い?
そんな疑問にお答えします!
今回は、初心者の方が鞍を持つ時期と、その選び方について解説しますね!
結論:「安易に」鞍は持たなくても良い
結論だけ先に言いましょう。僕は、初心者が「安易に」鞍を持つのは、オススメしない人間です。
鞍自体は、とても良いものなんですよ。仮に無料で手に入るとして、「それでも害もあるから止めなよ」という人はいないでしょう。メリットしかないです。
一流の騎手で、「乗れれば鞍なんて何でも良い」と言ってる人はいません。馬に乗るレベルを高めたいなら、検討すべき物だとは思います。
では、どうしてそれでも、初心者のうちから鞍を持つ事をオススメしないのでしょうか?
それは、「自分に合ってない鞍を買った時のデメリットが、鞍のメリットを大きく上回るから」です。
自分の鞍を持つメリット
自分の鞍を持つメリットですが、大きく3つに分かれます。
- 自分以外の人が乗らないから、型崩れしない。
- 鐙の長さを変える回数が減る。
- 自分の下半身にフィットするから、安定感が増す。
中でも3番目の、「自分の下半身にフィットする」という項目が、特に重要です。
ちょっとやそっとの事で鞍から体がはがれなくなれば、「これで騎座は合ってるんだ」という自信が付きますし、体を大きく使う事に抵抗が無くなります。結果、騎座が安定し、随伴も大きくとる事が出来るようになります。
馬の背中に付いていけないという課題が無くなれば、体は跳ねなくなりますし、馬の背中への負担も減ります。良い事尽くしです。
イメージとしては、人間というパズルのピースと、馬というパズルのピースを、繋ぐためのピースが、鞍になります。
それぞれの間に、それぞれにフィットした鞍がある事で、馬と人がスムーズに連結出来るんですね。
初心者のうちから、安易に鞍を買うデメリット
では、どうしてこれでも、すぐに鞍を買うべきではないんでしょうか?
それは、「初心者の方は、「自分の形」が分かってないから」です。
確かに、お尻の大きさや足の長さを調べて、表面上のサイズを合わせる事は出来るでしょう。
ですが、人の騎座の形って、外見だけでは判断出来ないんです。
- 今、どんな乗り方をしてる?
- 筋肉の付き方は?使い方は?
- 最終的に、どんな乗り方をしたい?
様々な理由で、好みって分かれます。だから、同じサイズでも、たくさんの種類の鞍があるんです。
さらに言えば、最終的には、本当に個人の感覚なんですよ。
ピッタリの物は、「あ、これが良い」って、言われなくても分かるものです。逆に言えば、そう思えないものは、使うべきではありません。
初心者のうちから、「自分はこの形!」と理解できる人が、何人いるでしょう?
僕は、ほとんどいないと思います。
先程、メリットの方でも解説した通り、鞍は、自分にフィットしてるからこそ効果があります。
高い物=良い物では、必ずしもないんですね。
また、どんなに椅子を良いものにしようが、乗り手がグラグラしていれば、落馬はします。
厳しい言葉ですが、損をしてほしくないからこそ、あえて言わせていただいてます。
グラグラしているからこそ、自分の鞍で安定するんだろ!という方もいます。仰る通りですし、自分に合った鞍を用意するべきです。
ただ、僕自身は、そういった理由から、鞍を買うより、自身の技術向上を優先しました。どちらを選ぶかは、皆さんにお任せします。
鞍を持つタイミング
では、ここまでの話を踏まえて、どのタイミングで鞍を持つべきかという話です。
結論、心から「持ちたい!」と思った時です。
今までの話を聞いても、それでも欲しいなら、サークルレッスンから用意するのも、もちろんありです。
逆に、まだかな…と思うのであれば、止めた方が良いでしょう。
このレベルまで行ったら!という基準は、僕はオススメしません。
そんな事言ったら、最初から自分に合った鞍に乗った方が、騎乗に違和感を感じる事無く練習できますからね。すぐに買ってという話になってしまいます。
※それが出来る方は、上達や時間は、お金で買うのもありでしょう。
「持ちたいと思った」という事は、「自分はこの騎乗がしたい!鞍を持つ事で、それが叶うなら!」と思ったという事です。
ここまで来れば、自分が目指す騎乗、自分の弱点、鞍に求める効果まで、ハッキリしています。
「なんか良い鞍らしいぞ。ふーん。」と乗るか、「この鞍だと、この課題はどうなるかな」と乗るか。
この2つでは、判断基準も、試乗の意味も変わりますよね。
大事なのは、鞍を買った先に、目指したい姿があるかです。
鞍は値が張りますからね。大学進学とは言いませんが、目指す将来も決まってないのに、なんとなく買う物ではないと思います。
「良い」という基準も分からないまま、何となく良いですねと言われたものを買って、自分に合わなかったは避けたいところじゃないですか。
それで、鞍を買い替える事になれば、更なる出費です。
ただ、時には自分のタイミングではなく、面倒を見てくれてる方に、鞍をオススメされる事があります。
「いつも○○さんの乗り方を見てて、この鞍の方が上達するなって思ってたんですよね!」といった感じです。
この場合、ちょっとした賭けになります。
先生が言う事だから、その通りなのかもしれませんが、自分の中では、まだ将来が明確じゃないからです。
もちろん、その熱意で購入を決めるのも有りです。最終的には、その方をどれだけ信用してるかです。
自分で納得して「買う」という決断が出来るのか、考えましょう。
鞍の選び方
鞍の選び方ですが、結論だけ言えば、「とにかく試乗しましょう」です。
というのも、基本的なサイズこそ表がありますが、実際のフィット感は乗ってみないと分からないからです。
特に鞍は、説明を見たり聞いたりするだけでは、違いは分からないものです。
革が~とか、形が~とか言われても、それが自分の騎乗にどう影響するかはイメージがつきません。乗って確かめるべきです。
試乗をする事で、「あ、鞍を変えるとこんなに違うんだ」というのを経験しなければ、そもそも「鞍が欲しい!」とも思わないかもしれません。
試乗は、して損はないと思います。
クラブのスタッフの方に試乗をお願いするも良し。ネットで試乗サービスを探すも良し。お近くの馬具ショップに行くも良し。
参考 ボロライディングクラブ様 参考 ジョッパーズ様
試乗した鞍に対していきなりピンと来ない限り、時間をかけて選びましょう。
理想は、日頃の騎乗を知ってる方と、時間をかけて、試行錯誤して選ぶべきですね。
信頼できる方がスタッフにいれば、お願いしてみて下さい。
間違っても、乗ってもいないのに1回で即決はしないで下さい。
馬場鞍、総合鞍という分類は同じでも、作りによってフィット感は違いますからね。他の物と比較するという意味でも、数種類は比較した方が良いです。
何なら、オーダーメイドで作ってしまうというのもありです。
ネットで調べると、意外と既製品の新品と同じくらいの値段で承ってくれます。そちらの方が、間違いはないかもしれません。
ちなみに、パターンとしては少ないですが、自馬を持つ方は、オーダーメイドをオススメします。
理由は、馬の背中も採寸してくれるからです。人だけでなく、馬にもフィットしてくれた方が、もちろん良いですよね。
なお、もし、どれを見ても決め手にかけるなら、いっその事、買わないのもアリです。
鞍は、買値と違って売値はガクンと下がります。後から後悔しないためにも、事前にしっかり選びましょう。
まとめ!
今回は、自分の鞍を持つ時期と、その選び方について、個人的に思っている事をお話ししました!
あくまで、僕個人の意見です。こうするべき!とは思ってないので、ご参考までにしてください。
鞍は良い物です。それは断言します。
ただ、人によっては、簡単に手を出せるものではないですよね。
そう考えると、やはり「その金額を払っても欲しいか」に尽きると思います。
自分が、「鞍を買う」という行為に、何を求めてるのか、慌てずに考えてみて下さい。
また、自分にはどんな鞍が必要か。そしてどの鞍が、その要望を叶えてくれるのかは、なかなか答えが出ないものです。
焦って合わない鞍を選ばず、ゆっくり、肌に合うものを探してみて下さいね。
最後に、今回の悩みは、なんで乗れないんだろう…というネガティブな悩みではなく、鞍を買ったら上手くなれるかな?というポジティブな悩みです。
乗れる自分を目指して、考えを巡らすのは良い事ですよ!頑張りましょうね!
ご覧いただき、ありがとうございました!