馬が砂浴びをするのは知ってるけど、前に洗い場で寝落ちしてる馬を見たよ。ガクンと崩れてたけど、大丈夫なのかな?やっぱり眠いの?
そんな疑問にお答えします!
確かに、僕も見た事があります。もともとテンションが高い馬ではないですが、洗い場についた途端に眠くなるみたいですね。
では、どうしてそのような子たちは、眠くなってしまうんでしょうか?僕なりの考えをお話ししたいと思います。
馬が洗い場で寝落ちをする理由
結論だけいうと、はっきりした理由は、僕にも分かりません。
ただ、個人的に考えているのは、現実逃避による眠気だと思います。
人間でも、面倒な作業や授業になった途端に、眠くなるじゃないですか。たぶん、それと同じだと思います。
なぜそう思うのか
そう思う理由は、以下の3つです。
- 脚のロックが作動してないから
- 家の中だと、同じように崩れ落ちたりしないから
- 馬房清掃中や、レッスン後には同じ行動が見られないから
解説していきましょう。
野生の馬は、いつ肉食動物に襲われるか分からない毎日を過ごしています。一回一回の睡眠で、熟睡をしてしまったら、気付かないうちに狙われてしまうかもしれません。
そのため、馬の睡眠は、人間と少々サイクルが違います。15分毎の浅い睡眠を何度も繰り返し、寝て起きてを繰り返すことで、常に周りに気を配れるようにしています。
また、馬が持つ特殊な体の仕組みとして、立ちながら寝れるというものがあります。骨と靭帯の一部をロックしておくことで、筋力を使わなくても立ち続ける事が出来るんですね。
そうする事で、いざ肉食動物に襲われた時に、寝てる体を起こすという手間を省いて、いきなり地面を蹴り出せるんです。
ところが、洗い場で寝落ちをする馬って、大体がその場で崩れ落ちてしまいます。
もし馬が、必ず横にならないと寝れない馬だとしたまだ分かりますが、それにしても座り込む動作もせず、言葉の通り崩れ落ちるんです。
となると、自分の意志で「さて寝るか」と思ってるわけじゃないと思うんですよ。足の固定をするという考えにも及ばないうちに、麻酔にかけられてるかのように眠りについている可能性が高いです。
まずこれで、馬がしたくてしているわけじゃないということが分かります。
その馬自体の筋肉が衰えていたり、ご高齢の馬だという理由も考えられます。
ですが、少なくとも僕は、洗い場で崩れ落ちる馬が、同じように馬房で崩れ落ちるところを見た事がありません。
睡眠時間は他の馬より多いかもしれませんが、横になるにしても、ちゃんと自分の意志で体を倒してると思います。そうでなければ、危なくて馬房の中にも入れておけません。
となると、必ずしも筋力の問題でもないと思います。
悪い事をしているわけではないのですが、そうやって突然寝落ちをする馬は、レッスン中で人を乗せている時でも同じ事をします。
なので、乗り手が何も対応できない初心者の方だった場合、途中で馬を変更する事が、スタッフの立場としては多かったです。
ところが、馬装を解いて、馬房に帰らせると、崩れ落ちる様子がないんですよね。眠りはするかもしれませんが、洗い場で見せていたような、人も乗せてないのに倒れこみそうな気配はどこにもありません。
また、その子の馬房を掃除する時は、同じように洗い場に繋ぐことになりますが、この時は、誰も周りに居なくても一人でジーっと立っています。
となると、原因が、馬装をされたことによる体の変化か、これからレッスンをするんだという気分の憂鬱かのどちらかに絞られてきます。
断定できない理由
ただ、ここからが絞れないんですね。
もし、レッスンだという雰囲気を感じ取って体が勝手に睡眠モードに入ってるのなら、それはレッスンが嫌だという後ろ向きな気持ちが招く、現実逃避になります。
ですがもし、腹帯を巻いたりする馬装が、血管の流れを圧迫したりして、眠気を誘っているのだとしたら、それはその馬の体と馬装の相性にあります。
正直、そこがまだ分かっていません。
個人的に、洗い場で寝落ちをしてしまう馬は、レッスンの為に洗い場に連れてきた段階から、眠そうにしている気がします。
また、馬装って、この馬だから強く、この馬だから弱くという考え方は、基本的にないと思います。他の馬も同じ強さで馬装をしていると考えると、馬装のせいにするのも違うかなとも思います。
ただ、1頭1頭の馬になったわけじゃないので、もしかしたら、血圧の低下などが眠気を誘っている可能性も否めません。
真実は、馬のみぞ知る、といったところです。役に立たなくて申し訳ありません…。
短期的な対策
ただ、事前に寝てしまう馬だと知っていれば、対策はする事が出来ます。短期的なものと長期的なものを見ていきましょう。
まずは短期的なものですね。
レッスン前に砂浴びをさせてしまう事で、全力で楽になりたいという欲求を叶えてしまう方法です。
ずっと我慢させ続けてるより、希望を叶えてしまった方が、唐突な展開を防ぐ事が出来ます。
乗る前に砂を落とすお手入れという手間が追加されますし、応急処置にはなりますが、それでもしないよりは数段良いです。時間があるならお願いしましょう。
馬が感じるストレスを、事前に少しでも減らす方法です。
レッスンがスタートすると、基本的にはレッスン時間が終わるまで、途中の下馬は出来ません。例えば、汗をかいたのを放置して馬場に出れば、その分、虫がくっついてきます。
ほら見ろ、やっぱりレッスンに来たら面倒な目に合うんだ。と思わせてしまったら、レッスンに対してのネガティブな気持ちは消えません。
手入れをする事で、一時的にでも馬を快適に出来ますし、耐久時間を増やすことも出来ます。改めて、やっておくに越したことはありません。
長期的な対策
続いて、長期的な対策ですね。
動画の半ばでお話しした内容を考えると、レッスンが嫌だという後ろ向きな気持ちが、寝落ちの原因となっています。
こればかりは、一回ばかり馬の希望を叶えたところで、次がいつも通りだったら、改善しないでしょう。長期的に見てあげる必要があります。
ただ、出来る事としては、こまめに面倒を見てあげるしかありません。
馬装をきつくしない、負担をかけて乗らない等は、もちろん個人で出来る対策です。ですが、多くの場合、その馬に乗るのは一人ではなく、多くの他の部員や会員になります。一人一人の乗り方までは、個人の気持ちでは変えられません。
強いて言うなら、顧問の先生や、クラブのスタッフに頼んで、この馬はこういう扱い方をしてくださいと、全体に普及させる事は出来ると思います。
ずばり、根本的な解決方法を提案できないのはとても申し訳ありません。
まとめ!
今回は、洗い場で寝てしまう馬に対して、個人的に考えている事をお話ししました!
もし、この記事を見ている方で、他にも知見があれば、コメントなどで教えて頂けると幸いです。
ただ、この馬はそういう馬だからと割り切らず、どうすれば良いのだろうと気にしていただける姿勢は、同じ馬好きとしてとても有難いですし、素晴らしいと思います。
ぜひ、自分が出来る事をやって、その馬だけでなくどの馬からも信頼されるようになってください。そうすれば、少なくとも、この記事を見てくれているあなたとの時間は、馬も心地よくいてくれると思います。
ご覧いただき、ありがとうございました!