レースや競技中、騎手が落馬しても、正しいコースを走り続けてる馬がいたよ!どうして馬は、人の言う事を聞くの?
そんな疑問にお答えします!
今回は、馬の「従順性」について、個人的に思う事をお話ししますね!
実際の例
確かに、僕が思いつく限りでも数頭、乗り手が落馬した後にも、走り続けた馬はいます。
競馬では、騎手が落馬した後、G1レースをゴールまで走り続けた馬もいましたし、
乗馬でも、ライダーが落馬した後に、障害を跳び続けた例はあります。
どうしてこんな事をするんでしょう?
馬が走り続ける理由:「従順性」があるから
結論から言ってしまうと、馬が走り続けたのは、馬が本能的に持つ、「従順性」が関係してると思います。
従順性とは、手をかけてくれる人の期待に答えようとする気持ちですね。
馬は、本能的に、この性質を持っています。質問された方が見た馬や、先程紹介した映像の馬も、それが理由で走り続けたのでしょう。
このような話をすると、「パワーが溜まっていたから、気が済むまで走り回っていただけ」という反論も出てきます。確かに、その事実はあると思います。
ですが、先程の障害を跳ぶ馬だったり、レース中に熱中症で倒れたりしている馬を見ると、それだけが理由とは思えません。
レース中にどんなに鞭を入れても、全く走ろうとせず、競争中止になる馬もいる事を考えると、この馬たちは、自分から「頑張る」という行動を選んでいるようにも感じます。
馬は、自己肯定感が低い動物
では、どうして馬は、そこまでして頑張るのでしょうか?
それを知るためには、馬の本能的な性質を理解する必要があります。それは、馬が自己肯定感がとても低い動物だという事です。
馬は、草を食べ、他の動物も襲わず、そもそも武器も持ってないから反抗もしてこない、肉食動物に真っ先に狙われる動物です。
そのため、食物連鎖で一番ランクが低いんですね。
自分は弱い。何も出来ない。逃げるしかない。自分でそれが分かっているからこそ、小さな事にも驚き、逃げ出し、捕まっても争わずに従います。
上に乗った方が立場が上という、「マウンティング」の考え方がある中で、見ず知らずの人間がいきなり背中に乗れるのも、馬が最初から「私の方が立場が下です」と思ってるからなんですね。
自己肯定感が低いからこそ、馬は感謝をする
ただ、自己肯定感が低い事は、短所ではなく、むしろ長所になります。
自己肯定感が低いからこそ、自分から攻撃せず、されるがままでも許してくれます。
自己肯定感が低いからこそ、相手をバカにせず、受け入れてくれます。
僕たちが、馬に感じる器の広さは、自己肯定感が低いからこそ生まれる長所です。
また、自己肯定感が低いからこそ、それでも面倒を見てくれる方に感謝をします。こんな自分を、「それでも良いよ」と言ってくれる人を、馬は好きになるわけですね。
そして、その人が喜ぶ事が分かったら、懸命にそれをやろうとします。冒頭で紹介した馬たちが、レースで走り続けたのも、きっと「関係者は、勝ったら喜んでくれる」と思っていたからでしょう。
自分みたいな弱い動物に、それでもこの人は手を焼いてくれる。嬉しい。この人のために頑張ろう。そんな献身的な気持ちが、真の「従順性」に繋がっていきます。
結果、思ってもいない活躍をしてくれる事もあるんですよ。
まとめ!
今回は、馬の従順性について、個人的に思っている事をお話ししました!
改めて、馬は、自己肯定感が低い動物です。そのため、無理やり力づくで従わせる事も、一応可能ではあります。
ですが、力づくの乗り方は、そのうち通用しなくなります。現に僕は、乗馬クラブの馬で通用していた乗り方が、競走馬相手に一切通用せず、自分の下手くそさにショックを受けた事がありました。
本当に仲良くなりたい馬がいたら、乗ってる時の長所だけではなく、その馬全部に目を向けてみて下さい。
馬が、本当の能力を発揮するのは、自分から乗り手に従おうとした瞬間です。
乗る時だけ小手先の技術を使うではなく、日頃からその馬を大切にし、その馬を理解した乗り方が出来た時、新しい乗馬の楽しさが見えてくるかもしれませんよ!